突然の生理が訪れた休日の朝
その日は休日で、当時高校生だった私と父は家にいましたが、母はパートで不在でした。朝から生理が始まり、時間がたつにつれて痛みも出血量もひどくなっていきました。
ところが家には大きいサイズのナプキンも痛み止めもなく、ストックは切れていました。母にいつも言われていた言葉が頭に浮かびましたが、それどころではないほどつらかったのを覚えています。
思春期だった私は、父とそうした話をするのをどこかで避けていました。ですが、そのときはもう頼るしかありませんでした。恥ずかしさをこらえながら、今の自分の状態を伝え、大きめのナプキンと鎮痛薬を買ってきてほしいと頼みました。鎮痛薬には体質に合わないものがあったため、避けてほしい成分も買い物メモに書いて渡しました。
「パパ、恥ずかしいよ!」
けれど、父が返してきたのは「え〜? パパ、恥ずかしいよ!」というひと言でした。父が生理用品を買うことに抵抗があるのかもしれないと頭では思いました。それでも、つらさをこらえて頼んだ私に向けられた言葉としては、あまりにも突き放されたように感じて、とてもがっかりしました。
その後、父は私の書いたメモを持って買い物には行ってくれました。ですが、買ってきたのは小さなおりもの用シートと、私の体質に合わない鎮痛薬でした。「恥ずかしかったんだから、感謝してよ!」と言って渡されましたが、どちらも使うことはできず、状況は何も変わりませんでした。
しばらくしてパートから帰ってきた母は、私の様子を見るなり血相を変えて駆け寄ってきてくれました。事情を説明すると、「あれだけ用意しておくように言ったのに!」と怒りながらも、「もう少し頑張ってね」とやさしく声をかけてくれて、すぐに生理用品と鎮痛薬を買いに向かってくれました。
その後少し落ち着いた私に対して母は、「パパには頼れないよ。私だって頼れなかったもの。だから用意しておくように言ったの。もうわかったよね」と静かに言いました。
夫と暮らすにあたり
大人になって今の夫と一緒に暮らし始めたとき、私は早い段階で生理の話をしました。男兄弟の中で育った夫は、生理用ナプキンを見るのも初めてだったようで、どのように使うものなのかも知らない様子でした。
私は、生理は尿のように自分の意思で我慢できるものではなく、意識していなくても出血があること、おなかの痛み以外にもいろいろな症状があることを伝えました。そのうえで、自分でもストックを切らさないようにしたり、精神的につらいときでも夫に当たらないように気を付けたりするので、どうしてものときは協力してほしいとお願いしました。
すると今では、夫は私が生理のとき、温かい飲み物を用意してくれたり、レバニラ炒めなどの鉄分豊富な料理を作ってくれたり、時にはそっとしておいてくれたりするようになりました。
まとめ
高校生のあの日、父に頼ってもうまく伝わらなかった経験は、私にとってとてもつらい出来事でした。ですがその経験があったからこそ、わかってもらえないかもしれないことほど、あらかじめ言葉にして伝える大切さを知りました。
生理のつらさそのものをなくすことはできなくても、普段から少しずつ共有しておくことで、いざというときに助けてもらえることがあるのだと感じました。私にとってあの日の出来事は、身近な人に期待するだけではなく、自分から言葉にすることで、支えてくれる人がいると気付けた経験でもありました。
医師による解説:つらい生理は我慢しすぎないで
生理痛や経血量の多さは個人差がありますが、生活に支障が出るほどつらい場合は、婦人科で相談することも大切です。
強い痛みは受診の目安に
生理中の下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、倦怠感などが強く、学校や仕事を休む、寝込む、鎮痛薬が効きにくいといった場合は、月経困難症の可能性があります。体質と決めつけず、婦人科で相談しましょう。子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることもあります。
出血量が多いときも注意を
ナプキンを頻繁に替えても間に合わない、服や寝具に漏れる、大きな血の塊が出る、貧血のような症状がある場合は、過多月経の可能性があります。経血量は人と比べにくいため、「いつものこと」と思わず、困っている場合は受診の目安になります。
周囲に伝える準備も大切
生理のつらさは外から見えにくく、家族やパートナーにも伝わりにくいことがあります。必要な生理用品や使える鎮痛薬、つらいときにしてほしい対応を普段から共有しておくと、急な体調不良のときにも助けを求めやすくなります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:沢岻美奈子先生(日本産科婦人科学会専門医・日本女性医学学会ヘルスケア専門医)
著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている
イラスト:おーちゃん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
関連記事:「生理がなんだか長いな」内科を訪れた私に医師が放った緊迫のひと言。即入院することになった真相は
関連記事:「顔色が悪いよ」生理痛とは無縁だったのに…同僚のひと言で気付いた重い生理痛の正体は【体験談】
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!