生後1カ月ごろから現れた血管腫
娘は低出生体重児で低血糖症の治療もあったため、生後1カ月まではGCU(回復治療室)に入院していました。退院目前のある日、娘の眉間と左胸、左腕に小さな虫刺されのようなものが……。
GCUは蚊がいる環境ではないのでおかしいなと思い、主治医に相談したところ、「まだ小さいから確定はできないけど、いちご状血管腫かもしれない。少し様子を見ましょう」とのことでそのまま退院しました。
小さな虫刺されのようなものは次第に赤味を帯びてぷっくりと腫れたように大きくなり、2週間後の診察でいちご状血管腫であることが確定したのです。
通院は片道1時間の病院で3時間待ち!
いちご状血管腫はその後も大きくなり、生後3カ月ごろにはかなり目立つようになったため、主治医に相談したところ、レーザー治療をしている別の小児科専門病院を紹介してもらいました。しかし専門病院が混んでいて予約が取れず、約2カ月後の生後5カ月からレーザー治療を開始することに。
その病院へは、自宅から電車を乗り継いで片道1時間。3時間ほど待つ日もあったので、まさに1日がかり。まだ月齢の低い娘を連れての長時間の通院は荷物も多いし、待っている間に娘をあやすのも本当に大変。約2カ月に1回の通院でしたが、毎回ヘトヘトでした。
レーザー治療中の様子
いちご状血管腫のレーザー治療は、赤くなっている部分にレーザーを照射する治療で、治療自体は数分で終わります。レーザー照射時は輪ゴムで弾かれるような痛みがあるそうですが、娘はレーザー照射の痛みというよりも、照射中暴れないように固定具で全身を固定されることが相当嫌だったようで毎回大泣きでした。
レーザー照射後は患部が軽い火傷のような状態になるため、1週間ほど塗り薬を処方されます。また、患部に紫外線が当たると色素沈着を起こすため、テープや絆創膏などで患部を覆い、日に当たらないように気をつけていました。
2歳になり血管腫はほぼ目立たない状態に
娘が1歳前後になると一緒に病院近くの飲食店でお昼ごはんを食べたり、ショッピングをしたり、私たちなりに通院を楽しめるようになりました。いちご状血管腫も、眉間にあったものは1歳を過ぎたころから目立たなくなり、1歳半のころにはほぼわからなくなりました。
左腕にあったものも完全に見えなくなったわけではないですが、色が薄くなり目立たなくなったので、2歳の誕生日を迎えた月を最後に治療を終えることにしました。
レーザー治療にはじめは抵抗もありましたが、顔の目立つ部分に血管腫があったので治療できれいになって本当によかったと思います。大変だった通院も、今となっては良い思い出に。娘が乳児期の写真を見て血管腫があったことに気づく日がくると思うので、そのときには幼いながら治療を頑張ったことを話そうと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:金岡莉緒
1女の母。独身時代から住宅関連企業に勤務し、産休育休を経て時短勤務中。妊娠・出産・子育てに関する自らの経験を中心に執筆している。