妊娠後期になると、おなかが大きくなり活動も大変になり、出産が近くなることで不安なども出てくる時期です。初めての出産の場合、パートナーとの2人きりの生活もあと少し。ここでは、友だちや助産師にちょっと聞きづらい「妊娠後期の性生活」についてお話ししていきます。
妊娠後期の体の変化
妊娠後期になると、おなかはかなり大きくなり、体への負担や腰痛などが出てくる時期です。おなかが張ってきたり、胎動が盛んになってきます。子宮の圧迫により、膀胱も刺激されて頻尿になり、夜間の覚醒も増えて寝不足になることもあります。正期産である37週以降でしたら、不規則な張りやたまに軽度の痛みを伴うことがあることがあります。
妊娠後期の気持ちの変化
妊娠後期になると、産休に入るママもいて、精神的に安定してくる時期です。その反面、おなかが大きくなることによって、ママへの負担が大きくなったり、出産への不安や期待など様々な感情が出てくる時期であり、性欲は低下することがあります。しかし、性欲については個人差も大きいと思います。
一方、パートナーの男性としては、妊娠後期になると女性のおなかが大きくなり、外見的にも赤ちゃんの存在を実感するようになり、性欲はあるものの赤ちゃんへの影響などから、性生活に不安をもつこともあります。しかし、妊娠期間は性生活が減っていることが多く、不満を抱えていることもあるかもしれません。
妊娠後期に性生活で気を付けることは?
妊娠後期も同様に、妊娠経過が順調で体調が良く、主治医から性行為を控えるように注意を受けていなければ、基本的には問題はありません。おなかが大きくなり、上向きの体制でいると大きな血管を圧迫して血圧が下がり気分が悪くなることがあります。背中を起こす姿勢や横向きの姿勢など体位を工夫してもらうようにしましょう。
正期産に入ってからの性行為は、子宮への刺激によって、おなかが張りやすくなることがあります。性行為の刺激でピンク色のおりものに混ざる薄い出血があるかもしれません。それだけではなく、持続する下腹痛、張りがずっと続く、生理の2〜3日目程度の多い出血がある場合は、受診するようにしましょう。精液は破水を引き起こす成分があり、膣内の細菌感染の予防からもコンドームの装着は必要です。
産後につながるパートナーとのコミュニケーション
体調が良いときや、健診などで医師から順調であることが確認されたときなど、性生活が可能なタイミングがあれば、伝えてみましょう。しかし、臨月に入ると、気持ちが向かずに性生活も控える方が多くなります。無理せずに素直に伝えて、今まで以上にハグやキスなどのスキンシップや会話などでコミュニケーションをとるように心がけると良いかと思います。
言葉や態度で、お互いを思いやる気持ちを伝え合うことが大切です。里帰り出産などで離れて生活することもあるかと思います。メールや電話などでも、コミュニケーションをこまめにとるようにすると、産後にもつながっていくと思います。
妊娠後期でも、注意点を守りながらであれば、無理なく性生活を行えます。しかし、体への負担が大きくなったり、出産への不安などで性生活を避けたいと感じている方は無理せずに、素直に伝えることが大切です。
性生活以外のパートナーとのスキンシップやコミュニケーションをとって、お互い歩み寄って産後も良い関係を保てるようにできると良いですね。