結婚式当日…新郎側が全員欠席!?
結婚式当日、華やかな会場とは裏腹に、控え室には重い空気が漂っていました。
妹は青ざめた顔でスマートフォンを握り締めています。僕が「何かあったの?」と尋ねると、妹は震える声で答えたのです。
「B男さんから、今日は行けないって連絡がきて……新郎側の親族は全員来ないって。もう結婚式は中止にする」
B男とは新郎のこと。泣き崩れる妹に、友人たちが必死に寄り添いました。僕はすぐに秘書のA子さんに「事情を確認して対応してほしい」と告げました。
A子さんは冷静で判断力が高く、僕の右腕として常に支えてくれる存在です。「会場側との対応の相談は私がします。招待客への案内も任せてください」と答え、関係各所へ連絡して混乱を最小限に抑えてくれました。
妹の震える肩を見て怒りが湧き、僕は「このまま泣き寝入りはさせない」と心に決めたのです。
式を台無しにした父親の言い分
後日、B男の親族から事情を聞きました。B男は大企業の御曹司です。妹の素朴でまっすぐな人柄に惹かれ、結婚を強く望んでいましたが、社長である父親から強く反対されたらしいのです。
「兄が小さな会社の社長だって? いつ潰れるかもわからない会社だろ。うちとは釣り合わないな」
父親はそう言い放ち、B男に「結婚するなら勘当するからな」と迫ったとのこと。さらに親族にも出席しないよう命じ、B男は最後まで迷ったものの、結局、父親に逆らえなかったそうです。
僕は妹と相談し、弁護士を通じてB男と話し合うことに。婚約破棄に伴う慰謝料と結婚式のキャンセル費用を、B男に請求する方針を固めました。
僕を見下した父親の会社は…
その後、僕は「倒産しそうな小さな会社」と見下された悔しさをバネに、仕事に打ち込みました。地道な努力が実を結び、会社は次第に成長。妹のことで気持ちが沈む僕を、A子さんは気づかって支えてくれました。
一方、B男の父親は、以前から小さな会社に強引な取引を迫ることがあったそう。それが問題視され、取引先からの信用を失ったと聞きました。契約解除が重なり、売り上げも落ち込んでいったとのことです。
B男は父親から別の縁談をすすめられても断り続け、妹を忘れられず、しばらくふさぎ込んでいたようです。
そんなある日……B男が突然、妹の前に現れたのです!
妹が出した答えとは?
B男は父親の会社を退職し、実家を出たとのこと。そして妹に復縁を求めました。
「あの日、父に逆らえなくて逃げました。君を傷つける形で裏切ったことを、本当に後悔しています。もう父の言いなりにはなりません。すぐに許してほしいとは言いません。それでも、もう一度だけ僕にチャンスをください」
誠意の伝わる言葉ではありましたが、妹は涙をこらえながら、「今の言葉だけでは信じられません」と答えました。
その後、B男は別の会社で働き始め、結婚式のキャンセル費用も全額負担しました。そして、妹の気持ちを尊重しながら連絡を取り続け、時間をかけて信頼を取り戻そうとしました。
その姿を見て、妹はB男との関係を築き直すことを決意。話し合いの末、妹は慰謝料を請求しないことにしたようです。
1年後、ふたりは再び…
それから1年後、ふたりは改めて結婚式を挙げました。B男の父親は欠席しましたが、母親や親族は以前の非礼を謝罪し、ふたりの門出を心から祝福しています。
妹の晴れやかな笑顔を見て、僕はようやく肩の力が抜けました。隣にいたA子さんも、「本当に良かったですね」と、うれしそうにほほ笑んでいます。
「A子さんが支えてくれたおかげで、一段落つきました。今度、食事に行きませんか?」
僕が誘うと、A子さんは「喜んで」と笑ってくれました。
妹は自分の意思でB男をもう一度信じる道を選び、幸せをつかみました。妹の幸せを見届けた今、僕も自分自身の人生に目を向けていこうと思います。これまでずっと支えてくれたA子さんとの時間を大切にしていくつもりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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