すれ違い始めた結婚生活
結婚して3年半ほどたったころ、妻が「私も働きたい」と言い、近所の飲食店で夕方からのパートを始めました。私は反対せず、妻の希望を応援しました。妻の勤務日はできるだけ私が夕食を作り、掃除や洗濯も分担するようにしていました。ところが、働き始めて半年ほどたつと、妻の帰宅は次第に遅くなっていきました。
ある結婚記念日のことです。私たちは以前から、一緒に夕食を食べる約束をしていました。しかし約束の時間になっても、妻は帰ってきません。私が連絡すると、妻からは「今日は人手が足りなくて、帰るのは22時ごろになりそう」と返信がありました。
「今日は結婚記念日だけど、忘れていた?」
そう尋ねると、しばらくしてから返事が届きました。
「ごめん。でも、もう結婚して4年もたつんだし、毎年お祝いしなくてもよくない?」
さらに妻は、「最近は一緒に出かけても気をつかうだけで、楽しくない」と続けました。
かつて「結婚記念日は毎年お祝いしよう」と話していた妻の言葉とは、あまりにも違います。私は寂しさを感じましたが、その日は妻を責めませんでした。
ただ、そのころから妻は休日にもひとりで外出するようになり、帰宅時間を尋ねるだけで「行動を監視しないで」と強く反発するようになりました。
私は夫婦関係について話し合おうとしましたが、妻は「仕事で疲れているから」と取り合ってくれません。何か事情があるのなら話してほしいと思っていましたが、妻は次第に私との会話そのものを避けるようになっていきました。
妻から突き付けられた離婚と慰謝料
それから2カ月ほどたったある日、妻が突然、離婚を切り出しました。
「もうあなたと暮らすのは無理。あなた、モラハラよ!」
「慰謝料を払って離婚して!」
あまりに突然だったため、私は理由を尋ねました。すると妻は、「私の仕事を軽く見ている」「帰宅時間を細かく聞かれるのが苦痛だった」と訴えました。
「仕事を辞めてほしいと言ったことはないし、家事も分担してきたつもりだけど、具体的にどの言動がつらかったのか教えてほしい」
私がそう伝えても、妻は「自分では気付いていないだけ」と言うばかりでした。さらに妻は、私との生活で精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料と引っ越し費用を負担するよう求めてきました。私は妻の要求に納得できませんでしたが、その場で感情的に反論することは避けました。
実は、妻の帰宅が遅くなったころから、私は何度も話し合いを試みていました。しかし、妻の帰宅時間について説明が食い違うことが増え、休日の外出についても何も話してくれない状態が続きました。
夫婦関係を今後どうしたらよいのか悩み、離婚を切り出される少し前に、私は弁護士へ相談していたのです。弁護士からは、思い込みだけで妻を問い詰めず、今後のやりとりを記録しながら、まずは状況を整理するよう助言されました。
私は妻とのメッセージや、話し合いを求めた日時などを記録しました。その上で、妻が頻繁に外出する理由を確かめるため、自分の判断で探偵事務所へ調査を依頼しました。妻には調査のことを伝えず、離婚や慰謝料については検討してから返答すると伝えました。
その後も妻は、数日おきに「いつ慰謝料を払ってくれるの?」「お金がないと引っ越せない」と迫ってきました。
妻に示した調査結果
数週間後、妻が再び慰謝料の話を持ち出しました。
「離婚する方向で考えているんでしょう? だったら慰謝料の話を早く進めてよ」
私は、用意していた資料をテーブルの上に置きました。
「慰謝料を払うのは、俺ではなく君のほうになるかもしれない」
妻は意味がわからないという顔をしました。調査の結果、妻がパート先の店長と複数回にわたって勤務先の外で会い、2人で宿泊施設へ出入りしていたことが確認されていました。
私は調査報告書の一部を妻に見せました。それを見た妻はしばらく黙った後、「仕事の相談をしていただけ」と否定しました。しかし、複数の日に同じ行動が確認されていることを伝えると、妻の説明は次第に曖昧になっていきました。
「俺に離婚の原因があるように主張して、慰謝料を受け取ろうとしていたの?」
私が尋ねると、妻はようやく、店長と肉体関係があったこと、不倫が知られて自分が責められるのが怖く、少しでも離婚を有利に進めようとして、私の言動を必要以上に「モラハラ」だと主張してしまったと話しました。
「本当にごめんなさい。もう二度とこんなことはしないから、離婚の話はなかったことにしてほしい」
妻はそう言いましたが、私は受け入れられませんでした。不倫をしていたことだけでなく、その事実を隠すために、私を加害者のように扱って慰謝料まで求めてきたことが、何よりも信頼を壊したからです。
「君が離婚したいと言ったから離婚するわけじゃない。これ以上、夫婦として信頼し合うことができないから離婚するんだ」
私はそう伝えました。
信頼を失った結婚に区切りをつけて
その後の話し合いは、弁護士を通じて進めました。不倫関係が始まった時点では、私たちは同居を続けており、離婚の話も出ていませんでした。
さらに、妻から開示された店長とのメッセージなどから、店長も妻が既婚で、私との同居が続いていることを知っていたと確認できました。そこで店長に対し、不貞行為によって受けた精神的苦痛について慰謝料を請求しました。
相手とは話し合いの末に合意が成立し、不貞行為に関する解決金が支払われました。妻との間では、店長からの支払いを含めた全体の解決内容を踏まえ、慰謝料や財産分与などの離婚条件について協議しました。
私たちには子どもがいなかったため、親権や養育費について協議する必要はありませんでした。最終的には、慰謝料や財産分与などの条件を合意書にまとめた上で、離婚届を提出しました。
妻からは途中で、「本当に離婚するとは思わなかった」「もう一度やり直したい」と言われました。しかし、私は考えを変えませんでした。
妻を困らせたいわけでも、必要以上に周囲へ事情を広めたいわけでもありません。妻の勤務先や親族へ私から不倫を知らせることはせず、証拠や事情は離婚の手続きに必要な範囲で扱いました。
今回の出来事を通じて、冷静でいることと、理不尽な要求を受け入れることは別なのだと感じました。
私は妻との関係を立て直したいと思い、すぐには離婚を決断できませんでした。しかし、相手を信じたいという気持ちだけでは、隠された事実や失われた信頼をなかったことにはできません。
感情のまま妻を責めるのではなく、事実を確認し、専門家に相談しながら関係に区切りをつけられたことは、私にとって大きな意味がありました。今は、落ち着いた生活を少しずつ取り戻しているところです。
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夫婦関係を立て直そうと話し合いを求めていた主人公に対し、一方的に責任を押し付け、慰謝料まで求めた妻。裏切りそのものだけでなく、事実を隠すために相手を加害者のように扱ったことが、決定的に信頼を壊したのでしょう。感情的に反撃するのではなく、専門家に相談して事実を確かめ、冷静に関係へ区切りをつけた主人公の姿が印象に残ります。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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