妹はヘアメイクの仕事をしており、今回はたまたま2枚譲ってもらえただけなので、追加で手配できるものではありません。そう説明すると、義母の口調は次第に苛立ちを帯びていきました。
「あなたって本当に役に立たないわね。私が観劇好きなのを知ってるでしょ? だったらあなたの分を譲りなさいよ。私と息子で行ってくるから!」
夫との大切な予定を無視し、自分勝手な要求を押し通そうとする義母に、私は言葉を失ってしまいました。
年上女房は気に入らない?義母の理不尽な要求とは
以前にも似たようなことがあり、義母は義父と夫から注意を受けていました。そのため、私は冷静に「それなら夫に直接確認してください」と伝えました。
すると義母は苛立ちを隠さず、吐き捨てるように言い放ちます。
「ほんと、生意気な嫁ね……! 私のかわいい息子が反抗するようになったのは、全部あなたのせいよ!」
あまりにも唐突な言葉に、私は思わず絶句してしまいました。義母は勢いを緩めず、さらに言葉を重ねてきます。
「やっぱり年上との結婚なんて認めなきゃよかったわ。尻に敷かれて、ほんと息子がかわいそう」
「3歳上なだけですよ。そんなに珍しいことではないと思います」と返したものの、義母の暴言は止まりません。
「せめて見た目だけでもかわいければよかったのにね。あなたって“年相応”というか、ちょっと老けてるのよね。……まあ、地味顔には派手な服が意外と似合うのよ。私の服、あげようか?」
そう勝手に話を展開させると、なんとその“お礼”としてレストランを予約しておいてと理不尽な要求をしてきました。
「お店の情報はあとで送るから。そして、週末にはそっちに行くから、部屋の掃除は忘れないでね」
一方的に言いたいことだけ伝えて電話は切れ、私はただただ大きくため息をつくしかありませんでした。
お礼の連絡かと思いきや…
義母が予定通りわが家に泊まり、疲労困憊の週末……。やっと帰ったと思った矢先、義母から連絡がありました。
結局、私は妹に無理を言ってもう1枚チケットを用意してもらった上、一緒に食事をするためのレストランの予約も済ませていました。ただ、義母が希望したお店があまりにも高額だったため、口コミで評判のよい別のレストランを予約したのですが、義母はそれが気に入らなかったようです。
「共働きなのに、ちょっと高いレストランも予約できないなんて余裕がないのね。働いていると言ってもあなたは在宅だっけ? やっぱり稼ぎが悪いのかしら。だいたい、在宅でずっと家にいるのって良くないのよ」
「えっ、どうしてですか? 適度な運動などはしていますけど」と聞き返すと、義母はあっけらかんと答えました。
「違うのよ、家がにおうの。加齢臭みたいなにおいがしたでしょ?」
「毎日ずーっとあなたが家にいるせいか、部屋中がすごくクサかったわ。はっきり言って、においの原因はあなたで間違いないわね。息子は何もにおわなかったし、もう少しケアしたほうがいいんじゃない?」
あまりの言われように驚きつつも、「ご指摘ありがとうございます。これから気をつけますね」と言って、やり取りを終えようとしました。
しかし、義母はさらに追い打ちをかけてきます。
「次に行くまでに加齢臭はなんとかしておいてね。家がクサいなんてストレスなんだから。私が遊び行くときには、あなたが外に出ていてもいいのよ? そしたら少しはにおいも抑えられるし。まあ、これはあくまで“提案”だからね。出ていけって言ってるわけじゃないから」
あまりの身勝手さに私はただ脱力してしまいました。
においの原因が判明!?妻が仕掛けた逆襲に義母は…
それからすぐ、再び義母が遊びに来ることになりました。しかし私には前々から決まっていた帰省の予定があり、留守……。留守中に来られるのは嫌でしたが、いつものようにごねられたので渋々OKしました。
「あなたが留守にしていたおかげで、今回はあまり家がにおわなかったわ」「でもね、夜はきつかったわ〜」と義母。
何があったのか尋ねると、「息子がね、客用の布団はクリーニングに出してるって言うから、あなたの布団を借りたのよ。でも、それがまあクサくてクサくて……全然寝られなかったの。おかげで寝不足になって、目の下にクマができちゃったわ」と、義母。
そんなに臭かったのかと驚きつつ、私は少し戸惑いながらも伝えました。
「あの……それ、以前お義母さんが使った布団なんですけど」
「は?」
実は、夫が「客用布団はクリーニング中」と言ったのは嘘。義母自身のにおいかどうかたしかめるため、以前義母が使った布団を「私の布団」だと偽って使ってもらう作戦だったのです。
「お義母さんがあまりにも私のことを“クサい”とおっしゃるので、試してみたんです。夫は私のことをクサいと思っていませんし、もしかしてにおいの原因はご自身なのでは?と思いまして」
すると義母は「はぁ!? 私がクサいわけないでしょ!!」と怒った様子……。
「最初に家がクサいと言い出したのはお義母さんですよ」と指摘すると、義母は不機嫌そう……。「いいから早く帰ってきなさい。息子の前で、しっかり説教してあげるから」
その言葉に、私はトドメのメッセージを送りました。
「その前に、お義母さんですよ。夫がこれからいろいろとお話ししたいそうです。しっかり話を聞いて、反省してくださいね」それ以降、義母からの連絡は途絶えたのでした。
義母の末路
それからしばらくして、義母から再び連絡がありました。私への数々の暴言について夫や義父から厳しく叱られたらしく、一応の謝罪を述べてきたのですが……本題は別にありました。
「息子から『もう家に来るな』って言われたけれど、あなたのほうから説得してもらえないかしら? 私も反省しているって伝えてほしいの」
あくまで自分に都合よくやり直そうとする義母に、私は「それは難しいです」と冷静に返しました。
すると義母は「どうして? 本当に反省しているのに。そっちに遊びに行くのは私の楽しみだったのよ!」と不満げ……。
「ホテルに泊まればいいじゃないですか」と答えると、「余計な出費になるでしょ? 交通費もかかっているのにひどいわ。私の存在が迷惑だって言いたいの!?」と詰め寄ってきました。
「そうですね。今後も“家には来ない”という距離感でお願いします」はっきりとそう伝えると、義母は少し間を置いてから言いました。
「これからはそうするけど……最後にひとつだけお願いがあるの。実は、もうあなたたちの家の近くにいるのよ。今回だけ泊めてくれないかしら。本当に、これで最後にするから……」
勝手なアポなし訪問に驚きつつも、私は静かに真実を告げました。
「もう、そこには住んでいません」
実は夫が会社を辞めてフリーランスのエンジニアになったのを機に、私たちは都会を離れ、田舎へ引っ越していたのです。
義母は焦って「引っ越し先を教えて!」と言ってきましたが、「無理です」ときっぱり拒否。「もう干渉はしない」と繰り返すものの、“家に近寄らない”という約束をすでに破っている以上、信用できるはずもありません。
「今後は親戚の集まりなどがあれば参加しますが、それ以外は距離を置かせていただきます」と言い渡し、私と夫は義母のアドレスをブロックしました。
最終的に義母は近くのホテルに泊まり、そのまま自宅へ戻ったようです。引っ越してからは義母の襲来もなくなり、私と夫はゆったりとした週末を過ごせるようになりました。
◇ ◇ ◇
“家族だから”と我慢し続けるのは限界がありますよね。しっかりと境界線を引くことで、自分自身や家族の心が守られることも……。義母には自分の言動をしっかり反省してほしいですね。
【取材時期:2026年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。