「夜中に起きて授乳するの? しかも3時間起きに!?」……出産前は自分でもまったく想像できませんでした。でも、産後の育児はノンストップ。とにかく頑張るしかありませんでした。
そんな無我夢中だった新生児期も過ぎ、ようやく夜泣きが落ち着いたと思ったら今度は「離乳食を食べてくれない」という問題が。新生児期から2歳までの子育てでどん底だったときのエピソードをお伝えします。
とにかく眠り足りなかった新生児期
みなさんの体験談で「出産後1〜2カ月はとにかく無我夢中だった」という話をよく見かけますが、私もまさにそう。特に最初の1カ月は、何をしていたか正直記憶がありません。初めての育児でわからないことだらけで、この子が死なないよう、とにかく授乳を繰り返すことに必死でした。その授乳のメモをタイマーアプリに記録し続けることをよりどころにしていました。
夫は育児に協力的で、おむつを替えたり家事を手伝ってくれてはいましたが、母乳をあげられるのは私しかいません。昼夜問わず、2〜3時間ごとに起きることになり、まとまった睡眠がとれなくてつらかったことを覚えています。
危うく赤ちゃんを枕にして寝ようとしたことも!
あまりに眠くて、うっかり子どもを枕にしそうになったこともありました。自分が寝ているマットレスの隣に、赤ちゃん用の布団を敷いていたのですが、子どもを布団に戻したはずが、自分のそばに置いてしまったのでした。
そのときは偶然夫が起きていたため、赤ちゃんの上に寝そうになった私を慌てて止めてくれたのですが、自分の注意力のなさに呆れました。当時のことは未だに夫にネタにされています。
作った離乳食をゴミ箱に捨て続けた地獄の1年間
産後数カ月経つと、徐々に睡眠不足も解消されました。しかし、次は「離乳食をまったく食べてくれない」という新しい悩みが生まれました。
生後7カ月くらいから、10倍がゆを与えようとしたのですが、ひとくち口に入れると「(まずい!)」とでも言いたげな嫌そうな顔をして吐き出してしまいます。「まあまだ7カ月だしね……」と思い、その後も試していたのですが、生後8カ月、生後9カ月と過ぎ、いつのまにか周りの子は離乳食後期の食事がとれるようになっていました。しかし、うちの子は一口も食べないどころか、離乳食にまったく興味がないようでした。
食べないだろうなあと思いながらも、季節の野菜や良質なたんぱく質の食材を、ペーストにしたり刻んだりを毎日繰り返していました。今日こそは、と思ってテーブルに並べますが、子どもはまったく興味を示しません。どうしようもないとは思いながらも、悲しかったです……。
作った離乳食は捨てていました。健診などで相談しても、「食べなくても一応作ってください」と言われるばかりで、どうしたらいいかとても悩んでいました。
おにぎりの米を“ひと粒ずつ”食べるわが子…
1歳半ごろになるとようやく、手づかみ食べなら数口だけ食べてくれるようになりました。クッキーなどの固いものは好きだったので、離乳食独特の柔らかい食感が苦手だったのかもしれません。
おにぎり(子ども用に小さくひと口サイズにしたもの)も手にとってくれるようになったのですが、なんと、お米をひと粒ずつ手にとって口に運んで食べていました。「なんて器用なの……!」という小さな感動はありましたが、ひと粒ずつゆっくり食べるので、小さなおにぎりを食べるのに時間がかかり、量もほとんど食べられません。
なかなか離乳も進められず、この子は将来ちゃんとごはんが食べられるんだろうか……ととても心配でした。
2歳すぎてようやく離乳!
結局、うちの子は、2歳になるまでほぼ母乳で栄養を摂取していましたが、2歳を過ぎた今ではしっかりごはんを食べられるようになりました。小さめのおにぎりなら、一気に2〜3個手にとって食べています。おにぎりを口いっぱいに頬張る様子を見て、 お行儀が悪いなあと思いながらも、お米をひと粒ずつ食べていたころからの成長を感じてうれしく思います。
お世辞にもスムーズに離乳ができたとは言えませんが、それでも平均体重よりもずっと重く、健康に成長してくれました。当時は本当に心配していましたが、しっかり母乳が飲めていたことで子どもは満足していたのかもしれません。これからも、悩んだりつらかったりするようなできごとは起こると思いますが、この子に会えたことに感謝して、毎日を楽しめたらと思っています。
著者:猪熊みく
神奈川県出身、東京在住。2歳1児の母。時短勤務と子育てで日々忙しいが、料理が好きで、子どもと料理をするのが癒やしの時間。今欲しいものは「バイタミックス」。