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夫「忘れっぽいだけだ!施設なんてダメだ」認知症の義母の介護を丸投げ→限界で家を出た3日後、夫号泣

私の夫は、いわゆるエリートサラリーマン。仕事に誇りを持ち、毎日遅くまで働いていました。私は少しでも夫が仕事に集中できる環境を整えてあげたいと思い、専業主婦として家事全般を担い、夫をサポートしてきました。

夫は決断力がある半面、私に相談せず物事を決めてしまうところがありました。結婚当初は「頼りになる」と感じていたその性格も、ある出来事を境に私を苦しめることに……。

 

 

突然の同居と義母の異変

ある日の夕食後、夫は当たり前のように「明日から母さんもこの家で暮らすから」と言いました。義母は数年前に病気をしてから足腰が弱り、それまでは私が週に数回、義実家に通って生活のサポートをしていました。

 

「同居すれば通う手間が省けるし、お前もラクになるだろう」と夫は言いましたが、四六時中気を使う生活に不安しかありません。しかし、夫はすでに義実家を引き払う段取りを進めており、今さら反対できる状況ではありませんでした。

 

こうして始まった義母との同居生活。最初はなんとかうまく立ち回っていたものの、次第に義母の様子に異変が現れ始めました。同じことを何度も聞いたり、さっき食べた食事を忘れたりするようになったのです。病院を受診すると、認知症と診断されました。

 

症状が進むにつれ、義母は自分の探し物が見つからないと「あなたが隠したんでしょ」と私を疑い、激しい言葉をぶつけるようになりました。

 

私ひとりでは手に負えないと感じることがだんだんと増えてきて、真剣に施設への入所を相談しても、「ただ忘れっぽいだけだろ? 施設には入れたくない」と、夫はまったく聞く耳を持ちません。世間体をひどく気にする夫は、「周りから親を見放したと思われるから絶対に嫌だ」と言うのです。

 

 

介護を丸投げされ、限界の私

それなら、せめて2人で協力して介護をしようと約束しましたが、残念ながらその約束が守られることはありませんでした。「仕事が忙しい」と毎日深夜に帰宅し、休日は「仕事が残っている」と自室にこもりきり。

 

一方、義母の症状は進行し、夜中になっても家の中を歩き回るようになりました。義母は要介護認定を受け、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて、週に数回デイサービスを利用するようになりました。しかし、利用時間以外は昼夜を問わず見守りが必要なため、私は睡眠不足と精神的な疲労で限界を迎えていました。

 

ある晩、疲労困憊の私は「もう少し手伝ってほしい」と涙ながらに訴えました。しかし、夫から返ってきたのは耳を疑う言葉でした。

 

「介護なんて余裕だろ! 大げさだな!」
このあまりに無責任な言葉に、私はあぜん。同時に、私の苦労を一切見ようとせず、すべてを私に押しつける夫に、これ以上付き合いきれないと悟ったのです。

 

翌朝、私は夫が仕事に出かけた後すぐに自分の荷物をまとめました。デイサービスのお迎えが来て義母を送り出し、そのまま実家へ帰ることにしたのです。冷静に今後のこと、そして離婚について考える時間が欲しかったからです。

 

仕事中の夫に電話をして「これ以上、私ひとりでの介護は無理です。実家に帰ります。お義母さんのデイサービスは17時までです。あとはお願いします」と伝えました。夫はいつものように「仕事がある」「忙しい」と渋りましたが、私は「もう無理」だと何度も伝え、その日は必ず17時までに帰宅し、義母を迎えると夫に約束させました。

 

 

たった3日でSOS

私が実家に戻って3日目のお昼ごろ、実家のインターホンが鳴り、玄関を開けると、そこには目を真っ赤にして憔悴しきった夫が立っていました。夫は会社を休み、義母がデイサービスに行っている間に実家へ訪ねてきたのです。

 

夫は私を見るなり、ぼろぼろと涙をこぼし、その場に泣き崩れました。聞けば、私が家を出てから仕事と介護をひとりでこなそうとしたものの、夜間に何度も起きて混乱する義母への対応に追われ、ほとんど眠れず、仕事にも行けなくなってしまったとのことでした。自分が「大げさだ」と切り捨てた介護の現実を前に、また、認知症が進行した自分の母親の姿に直面し、たった3日で心が折れてしまったようです。

 

老いて変わっていく親の姿を直視するのは、誰にとってもつらく苦しいものです。泣きじゃくる夫の姿を見て、私は義母が施設に入所できるよう準備を進めることを条件に、家に戻ることにしました。

 

その後、夫婦でケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しました。義母の状態や要介護度、本人の意向、施設の空き状況を踏まえて入所先を探し、数カ月後、認知症のケアに対応した施設への入所が決まりました。

 

夫も今では「施設入所を選ぶことは、親を見放すことだ」という偏見もなくなり、面会に行くたびに、丁寧にお世話をしてくださる職員の方々へ何度も感謝の言葉を伝えています。そんな夫の姿を見ると、あのとき思い切って実家に戻ってよかったと心から思います。

 

介護という重圧から解放され、私たち夫婦の関係も、少しずついい方向へ変わってきました。

 

◇ ◇ ◇

 

世間体を気にして認知症の親の介護を妻に押しつけていた夫。しかし、自ら過酷な現実を体験したことで改心し、介護という難しい問題にきちんと向き合えたのでしょう。パートナーにすべてを背負わせ、心身のSOSを無視するような態度は決して許されるものではありません。介護の現場では、きれいごとでは済まされない現実に、心をすり減らす場面も多いのではないでしょうか。自分ひとりで、自分たち家族でと抱え込まず、プロの支援を受けることも考えたいですね。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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