何事も自分の思い通りにしたい夫は、家族にとって重要なことでも私に何の相談もせず、決めてしまいます。
結婚当初に住み始めた賃貸マンションも、私の通勤や子育てのしやすさをまったく考慮せず、自分の職場に近いというだけの理由で勝手に契約してきました。
大きな決断をするときは必ず相談してほしいと何度も伝えていましたが、改善される気配はありません。つい先日も、私に内緒で数百万円もする新車をローンで購入してきたのです。
「俺の給料から払うんだから文句ないだろ」と言う夫に対し、これからの教育費や生活費の不安を訴えると、「じゃあお前たちは乗せない」と子どものように意固地になる始末。本当にあきれてしまいました。
突然、会社を辞めてきた夫
新車騒動から3カ月ほどたったある日、何やらご機嫌な様子で帰宅した夫。私が「どうしたの?」と尋ねると、夫は自信に満ちた表情で「話があるんだ」と切り出しました。
嫌な予感がしてドキドキする私をよそに、夫は「俺、起業して社長になる!」と宣言したのです。さらに、会社の上司と意見が合わず口論になり、その勢いで退職を申し出たところ、会社側も即日退職を認めたというのです。
勝手に会社を辞めるなんて、身勝手にもほどがあります。衝動買いしてきた新車のローンが始まったばかりです。娘はまだ5歳で、これからどんどんお金が必要になるというのに、会社を辞めるなんて……。
「バンバン稼いでやるから安心しろ!」と意気込む夫に、私はぼう然とするしかありませんでした。我に返って起業についての詳細を聞いてみると、夫は「飲食店を始める」と言うのですが、なんと店舗も決まっておらず、開業資金のあてや仕入れ先なども一切決まっていませんでした。どうやら起業の話は後付けで、上司との口論の勢いで会社を辞めただけのようでした。
あまりの無計画さに怒る気力さえ失い、私が黙り込んでいると、思い通りの反応が得られなかった夫は急にカッとなりました。
「夫を支えようと思わないのか! 俺のやり方は俺が決める」
激怒する夫に、私は冷めた声で「勝手にして」とだけ告げ、寝室へ向かいました。
夫の離婚宣言を即座に承諾
翌朝、私と娘が幼稚園や会社へ行くため慌ただしく身支度をしていると、無職になった夫がのんびりと起きてきました。「朝飯は?」と聞いてきたので、「忙しいから自分で用意して」と伝えると、夫は顔を真っ赤にして怒り出したのです。
「これから社長になって稼ぐ旦那様に向かって、そんな態度を取るなんて妻失格だ! 俺を支える気がないなら離婚だ! 離婚!」
文句があるなら出ていけと息巻く夫。しかし、私は少しも動じませんでした。「わかりました! じゃあ離婚で!」と、あっさり受け入れたのです。
実はここ数年、度重なる夫の身勝手な言動に限界を感じていた私は、弁護士の無料相談に行き、密かに離婚に向けて準備していました。いつ切り出そうか迷っていたところでの退職と起業宣言、そして夫からの「離婚」の2文字。まさに渡りに船でした。
私がすんなり受け入れたことに、夫は目を見開いて驚き、激しく動揺していました。私がすがりついて謝ると思っていたのでしょう。しかし、自分が言い出した手前、引けなくなってしまったのか、「お前みたいな薄情な妻なんか、こっちから願い下げだ!」と吐き捨てました。
私はすぐさま実家の両親に事情を話し、その週末には娘を連れて家を出ました。無計画で身勝手な夫に振り回される生活が終わると思うと、すがすがしい気持ちで足取りまで軽くなりました。
自分勝手で無計画な夫の末路
その後、弁護士を通じて協議を行いました。夫は「やっぱりやり直したい」と泣きついてきましたが、私の決意が揺らぐことはありませんでした。協議を重ねた末、無事に離婚が成立。夫には養育費の支払いを約束させ、娘の親権などについても取り決め、公正証書も作成しました。
後日、義両親から聞いた話によると、元夫は、離婚後すぐに義両親へ泣きついたそうですが、あきれた義両親は一切の援助を断ったそうです。結局、元夫は起業の夢を早々に諦めて就職先を探し、家賃の安いアパートに移って車も手放したと聞きました。
一方、私は実家で両親のサポートを受けながら、娘と穏やかな毎日を送っています。両親の助けに感謝しながら娘の笑顔を守り、仕事にも打ち込み、自分の力で生活を築いていきたいと思います。
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将来に関わる重要な決断には、きちんと話し合い、お互いが納得することが不可欠です。それにもかかわらず、独りよがりな行動を繰り返し、妻にだけサポートを強要する無責任な態度は許されるものではありません。パートナーが家庭を揺るがすような身勝手な決断を繰り返すなら、自分と子どもの未来を守るために、離婚も視野に入れて、自立する準備をしておきたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。