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「近視のはずがない」レーシック手術から10年。遠くが見えにくく眼科を受診した結果【医師解説あり】

近視などを矯正する屈折矯正手術の一つに「レーシック」があります。術後はどのくらい見えるようになるのでしょうか? 「近視の戻り」はある? 40代からでも受けられる? 老眼への影響は? 2人の女性のレーシック手術にまつわる体験談を紹介します。レーシック手術についての医師の解説文もぜひ参考にしてください。【医師解説あり】

 

コンタクトレンズから卒業したくて

レーシック体験談 イメージカット

 

中学のころから視力が低下し、0.1程度に。20歳から20年ほどコンタクトレンズを使用していましたが、手入れが面倒で、目への負担が気になることもありました。そんなとき、レーシック手術を受ければ視力が回復するという情報を得たのです。

 

悩んだ末、ついにレーシック手術を受けることに。病院は症例数の多い有名クリニックを選びました。2012年当時の手術費用は約17万円でした。

 

手術直後は目を開けるのがやっとなほどのまぶしさを感じ、サングラスを持っていけばよかったと後悔。ただし大変だったのは手術当日だけで、その後の経過はとても順調。裸眼視力は1.2くらいまで改善し、レーシック手術を受けてよかったと心から思いました。

 

そして10年後。数年前から視力の低下を感じ、気付いたときには、遠くのものが見えにくくなっていました。「レーシック手術を受けたのだから、近視になっているわけがない」と思いつつ眼科で検査を受けると、裸眼視力は0.3まで低下していました。なんと近視に戻ってしまったのです!

 

仕事柄、パソコンと日々向き合っていることも影響したのでしょうか? 視力の戻りには個人差があるようですが、10年で戻るとは思いませんでした。手術をしてよかったのか悪かったのか……、正直どちらとも言えません。

 

◇◇◇◇◇

 

手術前には恐らく視力が戻る可能性についても説明があったはずなのですが、「自分は大丈夫だろう」と都合よく受け止めていました。今後、手術を受けることがあった場合は、医師の話をしっかり聞き、慎重に判断しようと思います。

 

医師による解説:レーシック手術後の目の変化

レーシックは広くおこなわれている屈折矯正手術ですが、ドライアイや夜間の見えにくさなどの合併症が生じたり、数年後に視力の変化を感じたりすることがあります。

 

なぜ「近視の戻り」が起こるのか?

主な理由は3つあります。

 

①角膜の自然な変化(リモデリング):レーシックで角膜を削った後、角膜上皮の厚みなどが変化する自然な反応によって、角膜の形が手術直後からわずかに変化し、軽い近視傾向に戻ることがあります。特に若年層や強度近視では起こりやすい傾向です。

 

②ドライアイや角膜の変化:涙の状態が不安定(ドライアイ)だと、視力が一時的に揺らぐことがあります。また、角膜自体の硬さや形状が年月を経て変化することも影響します。

 

③水晶体の加齢変化(老眼や白内障など):「角膜」ではなく、目の中のレンズの役割をする「水晶体」が加齢によって弾力性を失ったり、白内障によって濁ったりすることで、見え方が変わる場合もあります。

 

「戻り」を感じたらどうする?

まずは、ご自身の術前データを把握している手術を受けた病院で検査を受けるのが望ましいでしょう。 対策は、まず負担の少ない方法から検討します。

 

対策① 眼鏡や点眼(手術なし):軽度であれば、夜間運転用の弱い眼鏡をかけたり、ドライアイが見え方に影響している場合は点眼薬で治療したりすることで、快適になることがあります。

 

対策② 再手術(レーシック・PRK): 角膜の厚みや形などが再手術の条件を満たしていれば、再レーシックやPRK(※角膜表面にレーザーを照射して屈折を矯正する方法)で、ズレを微調整できる場合があります。

 

対策③ ICL(眼内コンタクトレンズ): 角膜が薄く、角膜を削る再手術が適さない場合には、目の状態によって、ICL(眼内コンタクトレンズ)が選択肢となることもあります。これは、角膜を削らずに「目の中に小さなレンズを挿入する」ことで、屈折を矯正する手術です。ただし、適応については詳しい検査が必要です。

 

技術の進歩について

統計的には「戻り」の量は比較的小さいとされていますが、程度には個人差があります。また、最近の手術(2015年以降など)は技術が進歩しており、初期(2000年ごろ)の手術に比べて「戻り」や夜間の見え方に配慮した治療がおこなわれるようになっています。

 

さらに「ウェーブフロント解析(※一人ひとりの目の細かなゆがみを精密測定する技術)」を用いたオーダーメイド照射により、より自然でクリアな視界が期待できるようになっています。

 

まとめ

レーシック後の「戻り」は多くの場合、生理的な変化です。角膜や水晶体など、見えにくさの原因をきちんと見極めることで、ご自身の目に合った方法を検討でき、再び快適な見え方を得られる可能性があります。

 

監修/倉員敏明先生(くらかず眼科院長

愛媛大学医学部卒業。白内障・緑内障・網膜硝子体等の日帰り手術を中心とした眼科クリニックを運営。「患者さま一人ひとりに合った目の治療を提供し、地域に根差した医院となる」を理念に、質の高い最新の医療を提供。もう一つのライフワークとして、20年前からメーカーと共同で新たな手術器具や手術方法の開発や眼内レンズの研究をおこなっている。

 

著者:来布十和/第二次ベビーブーム世代の50代。出版社、編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。ピラティス、ランニングと定期的に運動をしているが痩せ効果はいまいち。燃費の良い体質が悩み。

 

 

レーシック手術を検討した私が断念したワケ

レーシック体験談 イメージカット

 

日常生活ではコンタクトレンズを装着していました。すると、仕事中に手元の数字やパソコン画面の小さな文字が見えない、スーパーで食品の成分表示を確認しても細かい字が読めない、焦点を合わせるのに時間がかかるといった困りごとに直面するようになりました。

 

特に困ったのが家庭菜園で種まきをするときでした。種袋には、種まきに適した時期や種をまく間隔などが細かい字で記載されているのですが、それらがまったく読めません。畑の作業中はUVケアのためサングラスをする必要があり、コンタクトレンズを装着しての作業が必須でした。

 

これまで快適だったコンタクトレンズで遠くが見える生活が、手元が見えなくなったことでストレスを感じるようになりました。

 

老眼だけでなくドライアイも発症

コンタクトレンズを長時間装着した後、コンタクトレンズが目から外れにくくなるほど、目が乾くことが多くなりました。ひどいときは目の奥に激しい痛みを感じ、頭痛めまい吐き気で寝込んでしまうこともありました。眼科を受診すると、重度のドライアイと診断されました。医師からは、加齢も一因と考えられると説明されました。

 

40代のとき、レーシック手術を検討して眼科で検査を受けました。その際、眼科医から「レーシックで遠くが見えるように矯正すると、近視のため裸眼でも近くが見えていた状態ではなくなり、老眼による手元の見えにくさを感じやすくなる」と説明され、私は手術を断念しました。

 

さらに、モノビジョンレーシック(片方の目を主に遠方へ、もう片方の目を主に近方へ合わせることで、眼鏡に頼る場面を減らすことを目指す方法)で、老眼による見えにくさを補う選択肢もあると案内されましたが、「いったんは近視と老眼による見えにくさが軽減しても、加齢とともに老眼が進めば、再び老眼鏡などが必要になる可能性がある」と眼科医から説明され、手術をしても加齢による見え方の変化は続くと考え、最終的に手術を受けない選択をしました。

 

◇◇◇◇◇

 

現在では、コンタクトレンズはジョギングなどの運動時と、草刈機と耕運機の機械作業時だけ装着して、農作業中も、ほとんど眼鏡で過ごすようになりました。花粉対策用に購入した眼鏡は、農作業中の土ぼこり対策にも役立っているかもしれません。

 

近視用の眼鏡をかけていると手元が見えにくくても、眼鏡を外せば見えるので、種まきのときや買い物でストレスを感じることはなくなりました。またおしゃれな眼鏡もたくさんあるので、洋服に合わせて眼鏡を新調することも検討しています。

 

監修/田辺直樹先生(田辺眼科クリニック院長)

日本眼科学会認定専門医。札幌医科大学医学部卒業。名鉄病院、名古屋大学、知多市民病院で眼科医員、公立学校共済組合 東海中央病院で眼科医長を務めたのち、2004年に地元愛知県名古屋市にて、田辺眼科クリニックを開院。子どもからお年寄りまで幅広い目の悩みに対するきめ細かいケアに定評がある。

 

著者:田川葉子/50代女性・保護猫17匹のお世話をしている。近所の農家さんから畑を借りてオーガニック野菜を栽培し、収穫した野菜を使って発酵食品づくりを楽しんでいる。

イラスト:サトウユカ

 

まとめ

2人の体験からは、同じ近視の悩みでも、年齢や目の状態、生活スタイルによって、納得できる選択が異なることがわかります。手術で長く快適に過ごせた人がいる一方、加齢による見え方の変化を考えて眼鏡を選んだ人もいました。

 

屈折矯正手術を検討する際は、メリットだけでなく、将来の老眼や視力の変化、合併症についても医師から説明を受け、自分の生活に合う方法を考えることが大切だと感じられる体験談です。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

 

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