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離乳食の進め方のコツ!ベビーに「おいしい」経験を

管理栄養士であり、離乳食教室の講師として経験を積んできた「離乳食の専門家」石田先生。離乳食の進め方についてニュースで配信したところ、大きな反響をいただきました!

管理栄養士であり、離乳食教室の講師として経験を積んできた「離乳食の専門家」石田先生。離乳食の進め方についてニュースで配信したところ、大きな反響をいただきました!ありがとうございます!

前回の離乳食ニュースはこちら 

みなさんの反響にお応えして、今回は離乳食の進め方のコツ・第二弾をお届けします。

 

 

 

<プロフィール>
管理栄養士 石田美枝
小学生6年、3年、1年の3児の母。学校給食の栄養士を13年務める中で離乳食から幼児食の重要性を痛感。保育園、産婦人科、市区町村の離乳食教室講師を勤め、現在クックパッドダイエットトレーナーを主力とするスーパー管理栄養士。

 

 

■離乳食の目的おさらい

前回のインタビューでもお伝えしましたが、離乳食の重要点は以下の2点です。
1. 赤ちゃんが食べ物を正しく消化するための「口(舌)」を動かすトレーニング
2. たくさんの味覚を獲得することで、「おいしい」の経験値を積むトレーニング

 

離乳食は「乳から離れるための準備の食事」です。しかしママ目線で離乳食について考えると、「乳から離れるため」よりも「離乳食を食べさせる」ことにフォーカスしてしまいがちです。

 

お子さんが自転車にいきなり乗ることができないように、離乳食にもトレーニングが必要です。何度も舌を動かしてみたり、お口を閉じてみたりと赤ちゃんも自分の口がどのように動くのかを確認、練習するのです。ですから、こぼしてしまったり、全部吐き出してしまったりという動作は、必ずしも「食べたくない」とは違うのだという認識をしておいていただきたいなと思います。

 

 

■哺乳の口から摂食の口へ

赤ちゃんは生まれた時、口の中がとても狭くなっています。乳を飲むために吸いやすい筒状に近い形を舌と口腔で作るからです。そして徐々に口の中が広くなってきて、歯が生えるスペースが生まれてきます。この過程の中で初めて舌を上下左右に動かし、口の中で食べ物を動かしたりするのが離乳食期です。

 

赤ちゃんの中には嚥下(飲み込み)を上手にする子もいますが、上手にできない子もいます。食品の場合、赤ちゃんがなんの問題もなく飲み込んでしまったら「食べられるんだ!」と思い、どんどん固い物を食べさせたりしていませんか?離乳食は口の発達と同時に内臓の発達の準備期間でもあります。ですから、やわらかくなっていないものがどんどん胃に送り込まれてしまうと、上手に栄養を吸収できずにアレルギーの原因になってしまうこともあります。
そして、たくさん舌を動かすことで練習できる「発語」にも大きな影響を与えてしまいます。

 

 

 

 

 

 

■味覚は感じるのはいつごろから?

 

「おいしい」の経験を積むと何がいいのでしょうか?また、その経験を積まないとどうなるのでしょうか?

 

味覚は生理学的には5つに分類されています。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味です。味蕾細胞という舌にある細胞で感じるのですが、赤ちゃんは妊娠3カ月くらいからこの味蕾細胞が機能しているといわれています。もちろん羊水の味も感じています。

 

お母さんの羊水の味(お母さんが食べているもので構成されます)、炭水化物は【甘味】、タンパク質は【うまみ】、ミネラルは【塩味】という風に感じるそうです。
妊娠中のお母さんの食事が離乳食に影響を与えてくるというのもうなずけますね。

その後は、甘味のある母乳、ミルクの味へと慣れていきます。そして次のステップとして炭水化物の【おもゆ】へと発展していくのです。

 

ですから、離乳食は5カ月からいきなりスタートラインに立てる赤ちゃんもいれば、実はまだまだトレーニングが終わっていない赤ちゃんもいるということになります。酸味や苦味はどうでしょう。大人でも食べものが腐った酸っぱいにおいに不快感を感じます。これは、生きるために備わった「防衛本能」で赤ちゃんにも同じことがいえます。
 

みなさんはご自身の母乳をなめてみたことはありますか?ほんのり甘いような、味がないような・・・赤ちゃんが感じている甘味はこの程度です。母乳から離れるタイミングでいきなり甘みの強い果汁をあげてしまうと、赤ちゃんにとって刺激が強いものとなってしまうので注意しましょう。お米のやさしい甘味から練習していく意味がわかりますよね。

 

 

 

      

好き嫌いが始まる幼児期

 

 

お子さんが離乳食時期は何でも食べていたのに、離乳食が終わったと思ったら食べなくなってしまって困っている・・・そんな経験はありませんか?
食事を用意しても、残されてしまうとママも食事を作ることに抵抗を感じてしまいます。「この子は野菜が嫌いなんだわ」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、実は日常生活の中で「今までやっていたのに急に嫌がることが増えた・・・」ということはありませんか?これが「イヤイヤ期」なのです。

 

靴を履いてお外に行くのが楽しくなった歩き始めの時期。少しすると「ママだっこ」となってしまったり、とてもいいお天気なのに「長靴で行く」と言ってきいてくれなかったり、突然「ママ嫌い!」といわれてしまった経験はないですか?
そんな時、長靴はいつか脱いでくれると思えるものですが、ブロッコリーは嫌いになって食べなくなるのでは・・・と思ってしまうのではないでしょうか。

1歳から3歳までの間、脳はすごい勢いで成長していきます。自分の感情が芽生える「自我の芽生え」によって「いや」という言葉も増えていきます。

 

 

たくさんの習い事もこの時期に経験しておくことがいい!といわれているように、食の体験もこの時期にしっかりとしておくことで、将来の好き嫌いはなくなります。

離乳食はどうしても「お腹を満たしてあげなくては」という思いに駆られてしまいます。ママとしては当然のことではあるのですが、そこで菓子パンやふりかけご飯でしのいでいないでしょうか?

 

ちょっと客観的に見てみると「いろいろな食材を食べることの経験値を上げる」ほうが大切な時期だったりもします。「旬の食材を少しずつ取り入れて、1年間でどれだけの種類の食材を口に入れただろう?」にフォーカスしていくことが赤ちゃんにとって豊かな食生活を形成していくことにつながります。食べなくてもまだミルクで補っている時期こそ、たくさん「食べる」経験を積ませてあげたいものです。

英会話でも、1年でどれだけの単語に触れたかがしゃべれるようになる近道だということはイメージしやすいのと同じことだと思ってください。
また、繰り返すことも練習です。今日は上手に舌を使えなかったので、吐き出してしまったけれども、明日は上手に使えて飲み込めるかもしれません。

 

 

■さいごに

離乳食が始まるとどうしても「早く大人と同じものを食べられるようになってほしい!」という衝動に駆られてしまいます。しかし、やり方を間違ってしまうと偏食やアレルギーを引き起こしてしまうこともありえます。

 

将来美味しそうになんでも食べるわが子の姿をイメージしながら、この約1年間の離乳食期間を楽しんで進めてもらえたらなと思います。

 

(TEXT:クックパッドベビー編集部 安田) 

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