電話を取らない新人
私が働く事務所では、外部からの問い合わせや取引先からの連絡が電話で入ることがよくあります。電話が鳴ったときは、手が空いている人が対応することになっていました。
ところが、新しく入った新人は、電話が鳴ってもなかなか受話器に手を伸ばしません。周囲の様子をうかがい、誰かが出るのを待っているように見えました。
最初のうちは「まだ慣れていないから仕方がない」と思っていました。しかし、何度教えても状況は変わりません。忙しいときにも私ばかりが電話を取ることになり、次第に「仕事なのだから、もう少し積極的に出てほしい」とモヤモヤするようになりました。
理由を聞いてみると
ある日、また新人が電話に出なかったため、私は注意しようとしました。しかし、頭ごなしに叱る前に、まず理由を聞いてみることにしました。
「電話に出るのが苦手なの?」と尋ねると、新人は少し困った表情で、「電話だと記録が残らないのが怖いんです。聞き間違えたり、後から言った、言わないになったりするのも不安で。チャットでよくないですか?」と答えました。
私はその言葉に驚きました。単に面倒だから避けているのだと思っていたからです。たしかにチャットやメールであれば、相手の名前や依頼内容を後から確認できます。電話に慣れている私にとっては当たり前のやりとりでも、新人にとっては、聞いた内容をその場で正確に理解して伝えることが大きな負担になっていたようでした。
電話後に記録を残すことに
そこで職場では、電話対応の方法を少し見直しました。電話を受けた人は、相手の名前や用件、対応が必要な人などを社内チャットに残すことにしたのです。
また、新人には最初からすべてを任せるのではなく、取り次ぎやすい電話から対応してもらうようにしました。聞き取れなかった場合は、無理に答えず、確認して折り返すよう伝えました。すると新人も、少しずつ電話に出るようになりました。電話後には必ず要点をチャットにまとめており、その記録がほかの社員にとっても役立つことが増えました。
私自身も、電話を受けたまま口頭だけで伝えて忘れてしまうことがあったため、記録を残す仕組みは職場全体にとって良い改善になりました。
まとめ
新人が電話に出ない姿だけを見ていたときは、やる気がないのだと思い込んでいました。しかし、話を聞くと、その行動の裏には「間違えたくない」「正確に伝えたい」という不安がありました。世代や経験が違えば、仕事に対する当たり前も異なります。違和感を覚えたときほど、すぐに決めつけるのではなく、まず理由を聞いてみることが大切なのだと感じた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:藤森 仁/50代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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