妊婦さんはどうして重い物を持たないほうがいいのか?
妊婦さんが重い物を持たないほうがいい理由は、おなかに力が入ることで妊娠中の体にいろいろな問題が起こる可能性があるためです。
まず第一に、おなかに力が入ることで子宮の収縮が起こり、おなかの張りを感じたり、出血したりしてしまう場合があります。また、妊娠中はホルモンの影響で靭帯が緩んでくるため、腰痛をおこしやすくなっています。したがって、腰に負担をかけないように重い物は持たないほうがいいのです。
具体的に、どれぐらいの重さを「重い」と考えるのかは、妊婦さんの筋力や体力、体の状態などによって変わります。おなかに力が入ったり腰に負担がかかっているように感じたり、力を入れて頑張らなければ持ち上げられないような物は持たないようにしましょう。
重い物を持つことによる流産・早産への影響
妊娠12週までの初期流産については、重い物を持つことが原因で起こるという根拠はありませんが、以前に流産をした経験のあるような方は注意が必要です。
重い物を持つことで子宮収縮が促され、おなかが張ったり出血が起こる可能性もありますので、子宮に負荷をかけないためにも重い物は持たないほうが無難です。
早産の原因は、子宮頚管無力症や細菌やウイルスの感染によるもののほかに、ストレスや疲労が重なることもリスクとして挙げられます。重い物を持つことはストレスや疲労を強くすることもありますし、重い物を持ったときにおなかに力が入ることで子宮収縮が促され、早産のリスクを高める可能性もありますので注意が必要です。
特に子宮頚管無力症については、体質的なことが原因で気づかないうちに早産の兆候が出始めていることがあり、それに気づかずに重い物を持ったりすると、子宮収縮が始まって早産に至ってしまう可能性があります。
重い物を持たないほうがいいとわかっているものの、環境によっては持たざるを得ないこともあると思います。たとえば、買い物をしたときに荷物が増えてしまったり、上の子がいる場合は子どもを抱っこしたりする場合などです。
子どもの抱っこについては、ベビーカーを利用したり、できるだけご家族に抱っこしてもらいましょう。どうしても必要な場合は、立ったままで抱っこするのではなく、なるべく椅子に腰掛けた状態で抱いてあげるようにしましょう。また、買い物に関しては、一度に買う量を減らしたりインターネットショッピングや宅配サービスなどを利用するとよいでしょう。
重い物を持つ以外に注意すること
おなかに力が入るのは、重い物を持ったときだけではありません。仕事や家事などで立ちっぱなしの場合も、重い物を持つのと同様におなかに力が入ります。立ち仕事をしている場合には、座っていてもできる業務を割り振ってもらったり、働く時間を短くしたりしましょう。
また、家事の場合は椅子をうまく使って、立っている時間をできるだけ短くすることが大切です。ハイチェアに座りながら料理や洗いものをするなどの工夫しましょう。
まとめ
重い物を持つことの他にも、立ち仕事や家事についても注意が必要ですが、注意をしていても、おなかが張ることがあります。おなかが張ったら、どのような場合でも休めるところを探して休むようにしましょう。
しばらく休んでいても張りが治まらない場合やおなかに痛みがある、出血するという場合には、かかりつけの病院に連絡をとり、状況を説明して医師の指示に従いましょう。
妊娠中は無理をせず、なるべく体に負担がかからない生活を心がけるようにしましょう。