久しぶりのデートで突然…
私が任されたのは、会社の新拠点立ち上げの仕事でした。同僚の男性と2人でメイン担当を務め、必要に応じてほかの社員にも応援に来てもらいながら、現地で仕事を進めていました。
慣れない環境で大変なこともありましたが、3カ月の出張は無事終了。帰宅後、彼と久しぶりに食事へ行くことになりました。
私は結婚準備の続きを話せることを楽しみにしていました。しかし、向かいに座る彼はなぜか不機嫌そうで、ほとんど笑いません。何かあったのかと尋ねると、彼はしばらく黙ったあと、突然こう言いました。
「俺たち、別れよう」
あまりに唐突で言葉を失っている私に、彼はさらに信じられないことを続けました。
「慰謝料、300万払ってもらうから」
意味がわからず理由を尋ねると、彼は「出張先で浮気してただろ」と言い、スマホに保存された写真を見せてきました。
「浮気の証拠」と見せられた写真
そこには、出張先のホテルの入口で男性と一緒にいる私の姿が写っていました。しかも、男性が私の腕をつかんでいるように見えます。
「なに、これ……」
写っているのは一緒に新拠点の立ち上げを担当していた同僚でした。ホテルも会社が手配したもので、その同僚も同じ場所に宿泊していたのです。
写真をよく見るうちに、仕事を終えてホテルへ戻った際、私が入口で少しよろけ、同僚がとっさに支えてくれたときのものではないかと思い当たりました。しかし、事情を説明しても、彼は聞く耳を持ちません。
「怪しいと思って、探偵に頼んでたんだよ」
彼はそう言い残し、その日は帰ってしまいました。
ショックで何も考えられませんでしたが、時間がたつにつれ疑問が湧いてきました。
出張前まで、彼が私の浮気を疑っている様子など一度もなかったのです。それなのに、わざわざ出張先まで探偵に調査を頼んでいたというのでしょうか。
どうしても腑に落ちませんでしたが、今は何を言っても聞いてもらえそうにありません。少し時間を置いて、改めてきちんと話せば誤解も解けるはず。そう思っていたのですが……。
同僚のスマホに見覚えのある名前
そんなある日、同僚のA子と仕事の話をしていたときのことです。机に置かれていた彼女のスマホが光り、何気なく目に入った通知に私は思わず固まりました。
表示されていたのは、婚約者と同じ名前だったのです。
「え……これって……」
私が名前について尋ねると、A子は「なんのこと?」とごまかすようにスマホを伏せました。
そのとき、以前仕事帰りに彼と立ち寄った店で偶然A子たち同僚と会い、そのまま一緒に飲んだことがあることを思い出しました。
突然浮気を疑われたこと、出張先で撮られた写真、そしてA子のスマホに表示された彼の名前。偶然とは思えなくなった私は、事実を確かめるため探偵事務所へ相談しました。
しばらくして、彼とA子が私に隠れて何度も会い、A子が彼の部屋へ出入りしていることがわかったのです。
浮気していたのは彼だった
調査結果をもとに2人へ事実を確認すると、最初こそ言い逃れをしていたものの、やがて関係を認めました。
以前一緒に飲んだことをきっかけにSNSでつながり、私に隠れて連絡を取り合うようになったそうです。そして、私が出張へ行く前には、すでに浮気関係になっていたといいます。
さらに、あの写真について尋ねると、もっと腹立たしい事実が判明しました。
彼は探偵など雇っていなかったのです。写真を撮ったのはA子でした。
2人は自分たちの浮気を隠し、私に原因がある形で婚約を解消しようと、何か落ち度がないか探していたのだとか。
実はA子も、サポート要員として数日間だけ出張先へ来ていました。その際、私と同僚男性の様子をこっそり撮影していたのです。その中で親密そうに見える一枚が撮れたため、それを「浮気の証拠」に仕立てたのでした。
自分が裏切っておきながら、私を浮気した側にして慰謝料まで取ろうとしていた――。あまりの身勝手さに、彼への気持ちは完全に消えました。
その後、私は弁護士に依頼し、彼との婚約を解消。彼とA子には、浮気や婚約破棄についてこちらから慰謝料を請求しました。最終的には支払いにも応じてもらい、2人とは完全に縁を切りました。
彼を信じていただけに、裏でA子と関係を持ち、さらに私へ責任を押しつけようとしていたことは本当にショックでした。あれから時間はかかりましたが、今では気持ちも落ち着き、穏やかな毎日を送っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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