表情があまり変わらない新人職員
数年前、職場に20代の新人職員が入ってきました。その人はあいさつはきちんとしてくれるものの、表情があまり変わらず、休憩時間もスマートフォンを見ていることが多い人でした。こちらから話しかけても必要なことは答えてくれるのですが、雑談がはずむタイプではありませんでした。
その様子を見て、私は正直なところ「周囲とあまり関わりたくないのかもしれない」と感じていました。もちろん、直接何か困ったことをされたわけではありません。それでも、見た目の印象や普段の態度だけで、どこか距離を置いて見てしまっていたのだと思います。
患者さんに丁寧に説明する姿を見て
ある日、患者さんから書類の記入方法について相談を受けたときのことです。近くにいたその新人職員が、患者さんに説明している場面を見かけました。その対応は、私が抱いていた印象とはまったく違うものでした。高齢の患者さんにもわかりやすい言葉を選びながら、ひとつずつ丁寧に説明していたのです。
患者さんが同じような内容を何度か質問しても、嫌な顔ひとつせず、落ち着いた様子で答えていました。急かすような雰囲気もなく、相手が理解できるまで寄り添うような対応でした。
その姿を見て、私は思わずはっとしました。普段あまり表情に出さないからといって、冷たい人だとは限らない。口数が少ないからといって、仕事に対して消極的だとは言えないのだと気付かされたのです。
スマートフォンを見ていた理由
後で話を聞いてみると、その新人職員が休憩時間にスマートフォンを見ていたのは、仕事に関する制度や手続きについて調べていたからだとわかりました。
私はそれまで、休憩時間にスマートフォンを見ている姿だけを見て、何となく「仕事や周囲に関心が薄いのでは」と思い込んでいました。しかし実際には、患者さんにわかりやすく説明できるよう、自分なりに調べて学んでいたのです。そのことを知ったとき、見た目や普段の態度だけで若い人を判断していた自分が恥ずかしくなりました。
その後は職場で話す機会も少しずつ増え、その人がとても真面目で責任感の強い職員だと知ることができました。表情や話し方に大きく出さないだけで、仕事への姿勢はきちんと持っていたのです。この出来事を通じて、第一印象だけで人を決めつけてはいけないと改めて感じました。
まとめ
年齢や見た目、普段の行動だけで相手を判断してしまうと、本当の姿を見逃してしまうことがあります。若い世代には、私たちとは違う表現や習慣があるのかもしれません。大切なのは、自分の価値観だけで相手を見るのではなく、まずは相手を知ろうとすることなのだと思います。若い職員への見方が少し変わった、忘れられない出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:宮田博司/60代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!
シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!