「分担表」に驚く
孫の顔を見るため、久しぶりに息子夫婦の家を訪ねました。台所で飲み物を取り出そうと冷蔵庫を見ると、扉に一枚の表が貼られていました。
そこには、「朝の子どもの着替え」「保育園の送り迎え」「食器洗い」「洗濯」「お風呂」「寝かしつけ」など、毎日の家事や育児の担当が細かく書かれていました。曜日によって担当が入れ替わり、担当できなかった場合は、別の日に振り替える決まりまであるようでした。
私は思わず、「夫婦なのに、こんなにきっちり分けているの?」と聞いてしまいました。私たちのころは、家事や育児は気付いた人がするものだと思っていましたが、実際には私が担うことがほとんどでした。そのため、表を作って役割を決める息子夫婦のやり方が、少し事務的で味気ないように感じたのです。
嫁の明るい表情
ところが、しばらく一緒に過ごしていると、以前訪ねたときとの違いに気付きました。孫が生まれたばかりのころ、嫁はいつも疲れた顔をしていましたが、その日は明るい表情で私と話していました。孫が泣き出すと、息子は何も言われなくても立ち上がり、慣れた手つきでおむつを替えていました。その間に嫁は洗濯物を片づけ、終わると2人で次にすることを確認していたのです。
息子は、「やることを決めておけば、どちらかだけが気付いて動くことにならないから」と言いました。嫁も、「今日は自分が休めるとわかっているだけで、気持ちがラクなんです」と笑っていました。
その様子を見ていると、分担表は2人の間に線を引くものではなく、負担が一方に偏らないようにするためのものなのだとわかりました。
自分の時代を振り返る
私は自分が子育てをしていたころを思い出しました。夫は仕事で忙しく、家事も育児もほとんど私が担当していました。夜泣きで眠れなくても、朝になれば食事を作り、洗濯をしなければなりません。「少し手伝ってほしい」と思っても、家族なのだから自分が頑張るべきだと考え、なかなか口に出せませんでした。
あのころ、役割を話し合うことができていたら、私はもう少し余裕を持って子どもたちと向き合えたのかもしれません。
息子夫婦の分担表を見て、最初は「家族なのに役割を割り振るのは、割り勘のようだ」と思いました。しかし実際には、お互いが無理をし過ぎないための約束だったのです。
まとめ
若い世代のやり方は、私たちには細かすぎたり、合理的すぎたりするように見えることがあります。しかし、その背景には、家事や育児をどちらか一人に背負わせないための思いやりがありました。家族の形や支え合い方は、時代とともに変わっていくものです。やり方は違っても、相手を大切にしたいという気持ちは、昔も今も変わらないのだと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:横山睦美/60代女性・主婦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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