飲み会参加が当たり前だった
私が若いころは、仕事が終わった後に上司や同僚と飲みに行くことがよくありました。飲み会も職場の人間関係を築くための大切な時間だと教えられ、多少疲れていても参加するものだと思っていました。
実際、仕事中には話しにくいことを相談できたり、別の部署の人と親しくなれたりすることもありました。そのため私は、飲み会にはそれなりの意味があると考えていたのです。
職場に新人が入ったときも、歓迎の意味を込めて飲み会に誘いました。特に深く考えることなく、「今度、皆で飲みに行くから予定を空けておいてね」と伝えました。
「飲み会って業務ですか?」
すると新人は、少し戸惑った表情で「それは業務ですか?」と尋ねてきました。あまりに真っすぐな質問だったため、私は一瞬、返答に詰まってしまいました。今回の飲み会は勤務時間外で、参加を義務付けているわけではありません。私は慌てて「業務ではないよ。都合が悪ければ来なくても大丈夫」と答えました。
しかし、自分が口にした「予定を空けておいて」という言葉を振り返ると、参加することが前提のように聞こえたかもしれません。新人にとっては、断ったことで今後の仕事や人間関係に影響が出ないか、不安だったのではないかと思いました。
私自身も若いころ、断りたくても断れない飲み会に参加した経験があります。それなのに、いつの間にか自分も同じような空気を作っていたのだと気付き、反省しました。
参加自由をはっきり伝える
それから私は、飲み会を案内するときに「参加は自由です」「予定や体調を優先してください」と、はっきり伝えるようにしました。出欠の理由も聞かず、欠席した人に対して冗談でも「付き合いが悪い」と言わないよう気を付けました。
最初は参加者が減るのではないかと思っていました。実際に参加者は減ったものの、来たい人だけが集まるため、以前よりも気楽な雰囲気になりました。参加しなかった人とも、仕事中に変わらず接することで、職場全体の空気も悪くなることはありませんでした。
質問をした新人も、都合が合うときには参加してくれました。無理に誘わなくても、本人が安心して選べるようにすることのほうが大切なのだと感じました。
まとめ
人付き合いの形や仕事に対する考え方は、時代とともに変わっていきます。自分にとって当たり前だったことが、相手にとっても同じとは限りません。親睦を深めるための誘いであっても、断りにくい空気を作ってしまえば負担になります。昔の価値観を押しつけず、参加するかどうかを相手が自由に選べる余地を残すことが、気持ちの良い職場づくりにつながるのだと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:岡野隆一/60代男性・会社員
イラスト:sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
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