赤ちゃんの誤嚥、最も気を付けたい食べ物は?【3児ママ小児科医の育児】

2020/01/28 10:30
58
東京衛生病院小児科の小児科医保田典子先生のコラム「3児ママ小児科医のラクになる育児」。私生活では7歳5歳3歳の子育て中という3児のママ小児科医が、ママたちの暮らしをグッとラクにしてくれる話を教えてくれます。今回は「誤嚥(ごえん)」についてです。
カテゴリ│
医療
中カテゴリ:
病気・ケガ
新生児

 

こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、3歳の子育て中です。

 

赤ちゃんは生後3~4カ月ごろから、何でも口にいれることが大好き。赤ちゃんの口は「第二の手」とも言われていて、口で感じる感触でいろいろな物を体験していきます。赤ちゃんが口に入れてしまうことは制限する必要はないですが、危ないものは口に入れないほうがいいですよね。今回は、赤ちゃんの誤嚥(ごえん)対策についてお話しします。

 

「誤嚥(ごえん)」ってなに?

日本気管食道学会によると、誤嚥とは「食物などが、なんらかの理由で、誤って喉頭と気管に入ってしまう状態を誤嚥(ごえん)と呼びます」とあります。

 

気管とは肺に空気を送りこむ”くだ”なので、空気以外のものが入りこんでしまうことを「誤嚥」といいます。ちなみに、「誤飲(ごいん)」は食物以外の物を誤って口から摂取することです。


赤ちゃんの気管は細いし、まだ筋力もないので、気管にものが入ってしまうと窒息の危険があります。命に関わったり、救急車を呼ぶ必要があることも多い事故のひとつです。0歳から2歳の子どもに多いですが、小学生以上でも起こることがあります。赤ちゃんは食べ物が多く、年長児になると歯のつめ物やビー玉など食べ物以外が多くなります。

 

誤嚥チェックポイント

直径39mmまでのものは、赤ちゃんの口から入ってしまうと言われています。母子手帳に大きさがチェックできる穴がついていることが多いので、一度見てみましょう。意外に大きいのにびっくりされるかもしれません。何も知らない赤ちゃんは一生懸命口に入れようとすることがあり、意外に大きいものでも飲み込んでしまうことがあるのです。


特に気をつけたいもの

食べ物で特に気をつけたいのは乾燥ピーナッツです。気管に入った瞬間は気道をふさぐことはなくても、気管の水分をすって膨らむことで、気管をふさいでしまうことがあります。

 

ピーナッツの丸い形と水を吸ってもろくなっている性状が気管から取り出しにくくなることが多く、医師泣かせの食べ物です。3歳までは乾燥ピーナッツは避けたほうがいいでしょう。医師によっては6歳までやめたほうがいい、という先生もいます。

 

アレルギーの観点からいうと、ピーナッツを早めに食べたほうがアレルギーが減るという研究結果もあります。わが子はピーナッツ好きだったので、欲しがるときは砕いて食べさせていました。

 

覚えておきたい救命救急法

もし、完全に気管を異物が塞いでしまって窒息してしまった場合、救急車を待っていては手遅れになります。普段から基本的な救命救急法は身につけておいたほうがいいでしょう。誤嚥に気がついて、呼吸ができていないと感じたら、以下のように対応します。


①救急車に電話


②0歳なら背部叩打法(はいぶこうだほう)、1歳以降ならハイムリック法(腹部突き上げ法)や背部叩打法変法をしましょう。

 

出典:「子ども安全メール from 消費者庁」

 

乳児では、口の中に指を入れずに、片腕にうつ伏せに乗せ顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷付けないよう力を加減します。(出典:消費者庁)

 

出典:「子ども安全メール from 消費者庁」

 

乳児より大きい子では、立て膝で太ももがうつ伏せにした子のみぞおちを圧迫するようにして、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続してたたきます。なお、腹部臓器を傷付けないよう力を加減します。(出典:消費者庁)

 

出典:「子ども安全メール from 消費者庁」

 

満5歳以上では、後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します。ただし、乳児又は妊婦には、この方法は行いません。横向きに寝かせて、又は、座って前かがみにして背部こう打法を試みます。(出典:消費者庁)

 

 

赤ちゃんの誤嚥について知っておくことで、事前に事故予防対策をおこなうことできます。誤嚥の起こりやすい食べ物やおもちゃなどに、普段から気を付けて赤ちゃんもママも笑顔で過ごせるといいですね。

 

著者

医師 保田典子 先生

小児科 | 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師


医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師。株式会社メドイース 代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。


経歴

2003年 筑波大学医学専門学群卒業
大阪市立総合医療センター小児循環器内科研究医
国立国際医療センター小児科臨床研修指導医
東京女子医科大学大学院
2014年より東京衛生病院勤務
2019年株式会社メドイース創業



この記事にいいね!しよう

いいね!
58

現在ログインしていません。

医療の新着記事

はじめての方へ

赤ちゃんの笑顔でいっぱいの毎日を。『ベビーカレンダー』は、赤ちゃんが毎日を笑顔で過ごせるような情報をお届けする、妊娠・出産・育児の情報サイトです。日めくりカレンダーを毎日めくるように、『ベビーカレンダー』を、ぜひ毎日ご活用ください。