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赤ちゃんの性別を産み分けることはできるの…?ズバリ、医師が解説します!

この記事では医師監修のもと、赤ちゃんの産み分けついてお話しします。赤ちゃんの性別の産み分けは迷信めいたものが多く、100%確実な方法はありません。親の事情や思いで自由自在にコントロールできないということは理解しておきましょう。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
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赤ちゃんの性別、産み分けることはできる?

 

男女を産み分けることは不可能です

赤ちゃんの性別を産み分けるために、100%確立された方法はありません。さまざなサイトや書籍、雑誌などに男女の産み分けに関する情報がありますが、迷信めいたものが多いのが事実です。望む性別が生まれる確率は1/2なので、なんらかの産み分け方法を試したところで、その方法のおかげで希望する性別の赤ちゃんを授かったのか、単なる偶然なのかは確かめようがありません。

 

男女の産み分けを強みにするクリニックなどの産科施設は存在しますが、そもそも産み分けは確率論なので、「100%産み分けられる」「絶対産み分けられる」というような説明には要注意です。産み分け方法について、十分な説明とカウンセリングがおこなわれる施設かどうかを見定めましょう。通常の診療以外に、産み分けを目的にした高額な治療や食品、セミナーなどをすすめられる場合は注意しましょう。

 

また、産婦人科医や助産師などの国家資格を持たない者がすすめる産み分け方法や情報を鵜呑みにすることは、産み分け以前に妊娠そのものを遠ざける可能性もあるので注意しましょう。

 

もし、産婦人科医の指導のもと、なんらかの産み分け方法を試すとしても、望む性別の赤ちゃんが授かるとは限りません。夫婦のどちらか一方に望まない性別の赤ちゃんを育てる覚悟がないならば、妊娠そのものを控えたほうがいいかもしれません。

 

赤ちゃんの性別はどう決まる?

人の性別の決定に関係する染色体XおよびYを性染色体と呼びます。性染色体の組み合わせがXYであれば男性、XXであれば女性と分類します。卵子の性染色体はXの1種のみですが、精子の性染色体はXとYの2種あるので、卵子にどちらの精子が受精するかによって人の性別が決まります。

 

しかしながら、性染色体が決定するのは、性器や性腺など身体的特徴で分ける体の性別です。自分自身を男性と思うのか、女性と思うのか、どちらの性でもあると思うのか、性別を決めたくないと思うのかなど、心の性別(性自認)とは別です。また、異性を好きになるか、同性を好きになるか、両性を好きになるか、性別で好きになる人を決めるのか、特定の好きになる人をつくるのかつくらないのかなど、好きになる性(性的指向)とも別です。

 

親側に何らかの理由や思いがあって、産婦人科医へ相談しながら、産み分ける方法を試したとしても、男女の分類は、生物学的な特徴で生まれたときに割り当てられる性別でしかありません。性別は多種多様であり、親の事情や思いで自由自在にコントロールできないということは理解しておきましょう。

 

確実な産み分け方法はないの?

確実に男女の産み分けをする方法は、性別に関連する重篤な遺伝疾患などを回避するために体外受精の際に受精卵を用いて性別をチェックする着床前診断が唯一の方法です。ただし、この方法は現在日本国内では禁止されています。

 

まとめ

赤ちゃんの性別を親の思いどおりに産み分ける確実な方法や親の努力だけでできる方法はありません。科学的根拠のない産み分け方法を試すとしても、どちらの性別の赤ちゃんが生まれても育てる覚悟がないのなら、妊娠そのものは控えるべきかもしれません。

 

<参考>

・産婦人科診療ガイドライン産科編2017

日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」

日本産婦人科学会「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」

日本遺伝カウンセリング学会「遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」

 

イラスト/マメ美

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    助産師古谷真紀

    一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。

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