親友「選ばれたのは私!」
「結婚相手に選ばれたのは、私でしたー♡」
ある日、そんなメッセージを送ってきたのは、中学時代から付き合いのある親友でした。
何のことかわからず話を聞くと、このとき私が婚約していた男性と「結婚する」と言う彼女。
私と彼が中学生のころから10年以上付き合っていることは、彼女も当然知っていました。さらに、彼からプロポーズされ、婚約者となったことも話していたため、最初は悪い冗談だと思いました。
しかし親友は、「〇〇(私)と彼は結婚しないよ。彼が最終的に選んだのは私だから」と言うのです。
祝福されるならまだしも、まさかこんなことを言われるとは思いもしませんでした。彼と私が中学生のころから付き合っていることは当然親友も知っているはずなのに……。
とにかく、親友からの話だけでは信じられず、私は急いで彼に連絡をしました。
すると彼は、親友との関係をあっさり認めたのです。プロポーズしたときは私と結婚するつもりだったものの、その後、親友と親しくなるうちに気持ちが変わってしまったとのこと。そして、「今は彼女と一緒になりたい」と、私との婚約を解消したいと言われました。
10年以上一緒にいた彼と、長年付き合ってきた親友。大切な2人から同時に裏切られたショックは、簡単に言葉にできるものではありませんでした。
それでも、私と婚約していながら親友を選んだ彼にすがっても仕方ないと思い……。話し合いの末、婚約は解消。親友とも距離を置くことにしました。
数カ月後、親友と偶然再会して…
それから数カ月後、用事があって役所を訪れたときのことです。
そこで偶然、親友と顔を合わせました。できれば関わりたくないと思っていたのですが、親友のほうから声をかけてきて……。
「久しぶり~。どうしたの? 引っ越しでもするの?」
私が何も言えずにいると、親友は、私の元婚約者との子どもを妊娠していることを自慢げに明かしてきました。
正直、わざわざ私に伝える必要があるのだろうかと感じましたし、嫌味のようにも聞こえました。それでも、ここで感情的になれば、親友の思うつぼのような気がして、ぐっとこらえることに。
「おめでとう」
そうひと言だけ伝えて立ち去ろうとしたのですが、親友は私の前に立ちはだかり、私の近況を尋ねてきました。
実はこのとき、私にも新しく交際を始めた男性がいました。学生時代の知人と久しぶりに再会したことをきっかけに、少しずつ距離が縮まった相手です。そのことを話すと、親友は驚いた様子で……。
「もう彼氏できたの? 婚約者に捨てられたばっかりなのに?」
さすがにムッとする言葉でした。けれど同時に、彼女はこういった嫌味を言って私が落ち込んだり、悔しがったりする姿を見たいのかもしれないと思いました。だったら、ここで言い返して同じように嫌味をぶつけても仕方がない。そう思った私は、できるだけ冷静に答えました。
「うん。今は前向きに過ごせてるよ」
それ以上は相手にせず、私はその場を去りました。
2人のその後を知って…
それからしばらくして、共通の友人から元婚約者と親友の話を耳にすることがありました。
2人の結婚生活は、思っていたようにいっていないそうです。長く付き合っていた私から彼を奪ったことで、親友は「自分こそ彼に一番愛されている」と思ったのかもしれません。しかし、生活する中で価値観の違いなども出てきたようで、夫婦喧嘩が増えていると聞きました。
もちろん、それを聞いたからといって、私が何かをするつもりはありません。
ただ、あれほど勝ち誇っていた親友が「こんなはずじゃなかった」と周囲にこぼしていると知ったときは、何とも言えない気持ちになりました。少しだけ「そううまくはいかないよね」と思ってしまったのも、正直なところです。
10年以上付き合った彼との婚約がなくなったときは、これまで一緒に過ごしてきた時間まで否定されたように感じて、なかなか気持ちを切り替えることはできませんでした。
それでも今となっては、「10年以上付き合ったんだから、この人と結婚するんだ」と、どこかで思い込んでいた自分もいたのだと思います。長く一緒にいたことと、これからも一緒にいたいと思えることは、同じではない。今は新しい恋人との関係を焦らず育みながら、自分の幸せを大切にしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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