一緒に行きたい場所とは
夫の転勤を機に、夫の故郷である広島県へ引っ越しました。広島で始まる新生活を楽しみにしていた私に、夫は引っ越し前から「一緒に行きたい場所があるんだ」と話していました。
私は、どんなステキなお店に連れて行ってくれるのだろうと、胸を弾ませていました。
「もう少し待ってほしい」と言う夫
仕事に追われる中、慌ただしく引っ越しを終え、生活が落ち着いたころには寒い季節になっていました。
そんなある日、夫に「そういえば、一緒に行きたい場所があるって言っていたよね」と尋ねました。すると夫は、「うーん、そうだね。もう少し待ってほしい」と言います。
写真映えする季節を待っているのかなと思いましたが、それ以上は聞かず、再び忙しい毎日を過ごしていました。
それから約半年後、「一緒に行きたい場所」の話もすっかり忘れかけていたころ、夫から「そろそろ行こう」と声をかけられました。
「ああ、そういえばそんな話もあったね」と返したものの、引っ越し前に感じていたわくわくした気持ちは、すっかり薄れていました。暑い中を出かけるのは少し面倒だなと思いながらも、準備を済ませました。
夫が一緒に行きたかった場所
夫に案内されるまま到着したのは、広島平和記念資料館(原爆資料館)でした。
館内には、原爆がもたらした悲劇を伝える展示品が並んでいました。その一つひとつを前に、私は言葉にできない思いを抱きました。
展示を見た後、夫は真剣な表情で私に語りかけました。
「今の広島は、たしかに活気があって便利で、ごはんもおいしくて楽しい場所だけれど、先人たちがどのような状況を乗り越え、この街を復興させてきたのか、その歴史は知っておかなきゃいけないと思う」
普段は少しいいかげんで、だらしないところもある夫が、ここまで真剣に話す姿は意外でした。
それまでの私は、広島については便利さや楽しさばかりに、夫については小さな不満ばかりに目を向けていたように思います。夫の言葉を聞き、この街や夫を見る目が少し変わったように感じました。
まとめ
今回の外出を通して、長く一緒にいる夫にも、まだ知らない一面があるのだと気付きました。
相手を知ることは、ときに性格や好みを知るだけでなく、その人が育った土地や、そこで受け継がれてきた歴史に目を向けることでもあるのだと感じました。広島の過去を知ろうとした時間は、街への理解を深めるだけでなく、夫が故郷に抱いている思いを知るきっかけにもなりました。
これからこの街で夫と暮らしていくうえで、街については便利さや楽しさだけを、夫については気になる部分だけを見るのではなく、街が歩んできた歴史や、夫が大切にしている思いにも心を向けていきたいです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※AI生成画像を使用しています
著者:桜尾仁/30代女性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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