会話のたびに覚えた違和感
学生時代、私の周りには、どんな会話も自分の話に変えてしまう知人がいました。本人に悪気があったのかはわかりません。けれど、こちらが話している途中でも、気が付けば彼女の経験や持ち物の話になっていることが何度もありました。
例えば、私が新しく服を買ったと話すと、彼女はすぐに自分の服について語り始めます。最後には「私はそういう安い服は着られないかな」と言うのが、いつもの流れでした。
最初は、マウントを取るような話し方をする人なのだと思い、深く考えずに受け流していました。しかし、同じようなやりとりが重なるにつれ、私だけでなく友人たちも彼女との会話にうんざりしていました。
授業後にまた始まったいつもの話
ある日、大学の心理学の授業で、人との関わり方や承認欲求について学ぶ機会がありました。その授業では、「相手より優位に立とうとする言動の背景には、自信のなさや満たされない思いが関係している場合もある」と説明されました。
その内容を聞いたとき、私はふと彼女のことを思い浮かべました。もちろん、授業で聞いた話をそのまま誰かに当てはめることはできません。それでも、これまでの会話で覚えていた違和感の理由が、少しだけ見えたような気がしました。
授業が終わった後、彼女はいつもの調子で「マウントを取る人って嫌だよね」と話し始めました。その言葉を聞いた瞬間、近くにいた友人の表情が変わったのです。
友人のひと言で静まり返った教室
少し間を置いた後、友人は「あなたの言い方も、人を見下しているように聞こえることがあるよ」と返しました。突然の言葉に、彼女は驚いた表情を浮かべ、口を閉ざしました。
しばらくして、彼女は「私は事実を話しているだけだよ」と反論しました。すると友人は、感情的になることなく「そういうところだよ」と静かに返したのです。
その場はしんと静まり返りました。私も何も言えませんでしたが、ずっと胸の中にあった違和感を友人が言葉にしてくれたことで、気持ちが少し軽くなりました。その後、彼女とは自然と疎遠になりました。
まとめ
今回の出来事を振り返ると、あのとき友人が言葉にしてくれなければ、私たちはその後も違和感を抱えたまま、彼女の発言を笑って受け流していたと思います。我慢を続けることだけが、人との関係を保つ方法ではないのだと感じました。相手を責めるためではなく、自分たちの気持ちを守るために、感じていることを言葉にする場面もあるのだと、友人の姿から学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐々木ゆま/20代女性・アルバイト
イラスト:ふるみ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年9月)
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