新型コロナウイルスの感染予防対策として、2月26日、国はスポーツ・文化イベントの2週間の開催自粛を要請し、さまざまなイベントの中止が続くなか、安倍首相は27日、全国すべての小中高校と特別支援学校について3月2日から春休みまでの臨時休校を要請しました。
子どもを持つ親たち・教育現場・職場は混乱…
昨日の安倍首相の要請を受け、子どもを持つ親たちや教育現場、職場などでは混乱が起きています。
子どもを持つ親は……
・共働き家庭、シングルで子育てをしている場合、急に仕事を休むことは難しいのでは? ・子どもの預け先の確保はできるのか?
・子どもを見るために仕事を休んだ場合の収入は?
・保育所・幼稚園は?
子どもたちは……
・残りの授業は?
・卒業式などの行事は?
・テストや入試はどうなる?
・クラスメイトとこれでお別れなの?
職場は……
・子どもを持つ人たちが一斉に休んだ場合、人手不足になるのでは?
・休校措置の対象外になった子どもの親、子どものいない人、独身者などに仕事の負担が増すのでは?
そのほか……
・子どもたちは家でおとなしく過ごせる?
・これを機に家族ででかけてしまうケースも出てくるのでは?
などなど、さまざまな疑問が挙がっています。
休校措置は効果はあるのか?
今回の要請に関して、感染予防の観点でもさまざまな意見があります。
◯休校措置は妥当という意見
日本での新型コロナウイルスの感染者数が日々増加している一方で、CPR検査の実施数が少なく、本当の感染者数や流行地域の把握が不完全であるという現状があります。現状把握が追いついていない今、これ以上の感染拡大を抑制し、子どもたちの健康と安全を守るためには、一斉に休校とする措置は妥当という意見があります。
⚫休校措置は意味がないという意見
新型コロナウイルスの感染者が多い地域とそうでない地域の差が大きこと、また、子どもの感染者がとても少なく重症者がいないことから、「全国一律の休校が効果的であるとするには科学的根拠は乏しい」という意見もあります。
今後、休校措置がおこなわれ、感染抑止効果があったのかどうかは今後の推移を見守るほかないようです。
休校中はどう過ごす?
◯感染予防対策は継続
子どもたちが休校中は、大人たちのほうが外出し、感染の機会が多くなると考えられます。正しいマスクの着用、手洗い・うがいをおこないましょう。
◯規則正しい生活を
長期休暇によって生活リズムが崩れるおそれがあります。生活リズムの乱れが体調不良にもつながり、感染リスクが高まる可能性もあります。いつもと同じ時間に起床・就寝すること、食事をきちんと摂ること、メリハリのある生活を心がけましょう。
◯ストレス発散の工夫も必要
休校中とはいえ、ずーっと家の中にいるばかりでは子どもたちもストレスが溜まってしまうかもしれません。かといって、今の状況ではお出かけもはばかられます。家にいる時間が多くなるので、普段できないこと、今まであまりおこなっていなかったことに取り組んでみるのもいいかもしれません。
今回の要請では、行政機関や民間企業に対して、通学する子を持つ保護者が休みを取りやすくなる環境を整えるなどの配慮を求めています。そして、萩生田文部科学相は、「基本的に自宅で過ごすよう指導するとともに、子どもたちが不要不急の外出をしないよう関係省庁に協力を求める」としています。また、厚生労働省も、保育ニーズに応えるため、保育園と学童保育(放課後児童クラブ)は「原則開所」を求めると自治体に伝えたとのことです。休校の要請は強制的なものではないものの、やはり今回も各自治体や教育委員会に判断が委ねられるようです。今後の対応を注視し、冷静に行動していきましょう。