新型コロナウイルスによる感染症をこれ以上拡大させないために、イベントの中止や小中高校の一斉休業などの対策が講じられるなか、3月1日、厚生労働省は「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」を公表しました。
新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合、何に注意したらいい?
「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)」は、以下のような内容となっています。
ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる人(以下、感染者)がいる場合、同居のご家族は以下の点に注意してください。
1.感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
2.感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
3.できるだけ全員がマスクを使用する
4.小まめにうがい・手洗いをする
5.日中はできるだけ換気をする
6.取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
7.汚れたリネン、衣服を洗濯する
8.ゴミは密閉して捨てる
■引用:厚生労働省 新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)
注意事項のポイントは?
1.感染者の療養環境について
感染者が療養する部屋は、他の家族がいる部屋とできるだけ分け、換気の良い個室とするとしています。また、トイレや浴室など共有スペースの利用は最小限にとのこと。
部屋を分けられない場合は、感染者から少なくとも2m以上の距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置する、寝るときも枕の位置を揃えて寝ないなど、感染リスクを減らす工夫が大切です。
また、感染者のいる部屋、ご家族が生活している部屋の換気も重要で、エアコンなどの空調や換気扇をまわしたり、日中の温かい時間に窓を開けるのもよいとしています。
2.マスクの取り扱いに注意!
今回の注意事項では、できるだけ全員がマスクをすることに加え、マスクの取り扱いも感染拡大を予防するために大切なポイントとなっています。
1)マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外し、マスクの表面には触れないようにする。
2)マスクを外したあとは必ずせっけんあるいはアルコール消毒液での手洗いをおこなう。
3)使用したマスクは他の部屋に持ち出さない。あるいはすぐ捨てるようにする。※鼻をかんだティッシュも併せて、捨てるときはビニール袋に入れて、室外に出すときは密閉することが重要。
4)マスクが分泌物で濡れたり汚れたりした場合は、すぐに新しい清潔な乾燥したマスクと交換する。
3.感染者との共用はNGだけど…
タオルや食器、箸、スプーンなどの共用は不可ですが、洗濯や食後の食器洗いを別洗いしたりする必要はないとしています。ただし、体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う場合は、手袋、マスクを使用し、一般的な家庭用洗剤を使用した洗濯機を使用して、洗濯し完全に乾かす必要があります。
そして、取っ手、ノブなどの共用部分は、0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いたあと、水拭きするか、アルコールで拭き。トイレや洗面所の清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだあとに0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用するようにすすめています。
ご家族が新型コロナウイルスに感染したら……あまり考えたくないことですが、可能性はゼロではありません。感染の有無に関わらず、心臓、肺、腎臓に持病のある人、糖尿病の人、免疫の低下した人、乳幼児、妊婦さんなどは注意が必要です。今回公開された注意事項は、部屋の換気やマスクの取り扱い、掃除など、普段から実践できるものでもあります。いざというときに備えて習慣化しておくと安心です。今、自分たちがおこなえることをきちんとおこなって、感染拡大を防止していきたいですね。