「自己肯定感を高めましょう」という話を耳にすることがあると思います。そもそも自己肯定感とはなんなのか。自己肯定感のある子に育てるためにはどのように接すればいいのでしょうか。
ナルシストと自己肯定感が高い人との違い
自己肯定感を高めるというと、褒めて自信を持たせればいいのだろうか? それだと自惚れた人間になってしまうのではないだろうか? と思われる方も多いのではないでしょうか。
ナルシストと自己肯定感が高い人には明確な違いがあります。
それは“人と比較して自信を持っているか否か”です。ナルシストは人と比較し、人より優位に立つことで自分の存在意義を認めます。一方、自己肯定感が高い人は、自分の悪いところも含め人と比べることなく、そのままの自分を受け入れます。
そのままの自分を受け入れることができれば、失敗しても次に頑張ろうと思うことができる。また他人に対しても、比較ではなくそのままの人を受け止めることができ、人と比較してくよくよすることもない。より良い人間関係を築いていくことができるともいえます。
自己肯定感のある子どもに育てるためにやってはいけないこと
一般的に、親からネグレクトや暴力などの虐待を受けた子どもや、愛されていると感じることなく育った子どもは自己肯定感が低くなると言われています。
しかし一方で、親が愛情を注いでいるつもりでいても、過干渉、ルールに沿った行動をひどく押し付ける、大きな期待をかけすぎる、失敗したことをひどく責めるなどして育てた場合も、自己肯定感が低くなる可能性が高くなります。
そのため、子どもが親の期待通りにできなくても、失敗しても、それらを受け止めることが重要です。
自己肯定感が低いなと感じたら
親がいくら丁寧に自己肯定感が高い子を育てようと思っていても、その子の性格上、なかなか自己肯定感を高く持てない子もいます。それは必ずしも悪いことともいえません。自分と人を比べてしまい、生きづらく感じてしまう可能性はありますが、同じように感じる人を思いやる心を持つこともできます。
わが子の自己肯定感が低いなと感じたら、親は否定せず、また無理に自己肯定感を高めさせようとせず、そのままを受け入れてあげてください。
謙遜が美徳とされる日本人にとっては、自己肯定感が高いというのは若干受け入れがたいものでもあり、自己肯定感が高く自信満々な人は、日本においては少ないと感じるかもしれません。人との和を大切にする日本ですから、文化上、どうしても人の目を気にし、比較するということは避けられないところもあります。
そういった文化もありますから、親自身も自己肯定感が低いなと思ったら、自分自身を受け入れるところから始めてみてください。