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消費税だけじゃないの!?2020年から「所得税」も変わっています!

ファイナンシャルプランナーの大野先生が、すでに始まっている2020年(令和2年)の所得税の変更点について教えてくれました! 給与明細の税額も確認するきっかけにしてみてください!

この記事の監修者
監修者プロファイル

ファイナンシャルプランナー大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
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2019年(令和元年)10月に消費税の税率が10%に変更されましたが、制度の変更があるのは消費税だけではありません。所得税は今までも見直しがされ2018年(平成30年)には配偶者控除・配偶者特別控除の基準が変更されました。今回はすでに始まっている2020年(令和2年)の所得税の変更点についてお伝えします。

 

給与所得者の給与所得控除が変更(年収850万円を超えると増税に)

会社員等の勤務先から支給される給料を収入源としている方を税法上では給与所得者と分類されます。給与所得者には個人事業主のような必要経費といった考えは原則ありませんが、法律上の経費的な扱いをし、税負担を軽減する給与所得控除があります。この給与所得控除が2020年分の所得税から変更となります。なお、課税の基礎となる給与所得の計算は、給与収入金額(年収)-給与所得控除=給与所得となります。具体的には、下記の表をご参考になさってください。
 

例えば、給与収入金額(年収)300万円の場合、変更前は300万円×30%+18万円=108万円、変更後は300万円×30%+8万円=98万円となります。また、給与所得の計算は、変更前は300万円-108万円=192万円、変更後は300万円-98万円=202万円となります。
 

 

上記の変更後、年収850万円以下の場合は10万円給与所得控除が下がりますが、次の章でご説明する基礎控除が10万円増えますので、実質所得税の増減はありません。年収850万円を超える場合は、給与所得控除が一律上限の195万円となりますので、2020年末の年末調整または確定申告では増税となります。


しかし、年収850万円を超える場合でも、①23歳未満の扶養親族がいる場合、②重度の障がい者(特別障害者)の配偶者または扶養親族がいる場合、③本人が重度の障がい者(特別障害者)の場合は、所得金額調整控除が適用されます。これは、給料収入金額-850万円×10%(上限15万円)が給与所得から差し引かれ、今回の変更の増税の影響が緩和されます。

 

基礎控除が変更(自営業者は減税に、合計所得2500万円超の人は増税に)

基礎控除とは、誰でも適用することができる控除です。基礎控除の金額は一律38万円でしたが、変更後は合計所得金額※1によって控除額が異なります。詳細は以下の表をご確認ください。合計所得金額が2400万円以下である場合、10万円引き上げられて48万円になります。給与所得者は、年収850万円以下の場合、給与所得控除が10万円減り増税の要因となりますが、基礎控除は10万円増え減税の要因となり相殺され、実質所得税の増減はありません。

 

なお、自営業者はこの基礎控除のみ増えるため、実質減税となります。しかし、合計所得が2500万円を超えると控除額は0となるため、所得の種類に関わらず合計所得2500万円を超える場合は、実質増税となります。

 

 

※1合計所得金額・・・その人の課税となる給与所得や事業所得等の所得の合計金額のことです。適用とならない所得もあるため、詳細は国税庁のサイトをご確認いただくか、最寄りの税務署などでご確認ください。

 

すでに1月から差し引かれている源泉徴収税額は変わっている場合も

所得税は1月1日~12月31日までの1年間の所得に応じて計算されるため、年末調整または確定申告で精算しますが、給与所得者は毎月の給料等から所得税が源泉徴収されています。この金額は毎月の給料等に応じて計算された仮払いの金額ですが、上記1、2の変更を受け、すでに差し引かれた源泉徴収税額が昨年と変わった基準で計算されています。今までと同じお給料でも源泉徴収税額が変わっている場合もありますが、この影響である可能性があります。

 


消費税は毎日の買い物で税率が変化している実感が多い反面、所得税は月1回のお給料をベースに計算されるため接する時間が少なく、意識しにくい税金です。上記の変更も踏まえて、給与明細の税額も確認するきっかけにしていただければと思います。
 

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