妹が何よりも大切!
僕が大学生のころ、両親が他界しました。親戚の助けを借りながら妹との生活を守り、大学卒業後は就職。今は高校2年生になった妹と2人で暮らしています。
妹には希望する進路を諦めてほしくない。そう考えた僕は、普段から節約を心がけていました。外食は控え、昼食には手作りの弁当を持参。少しずつ進学費用を貯めていたのです。
そんなある日、会社でBBQが開催されることになりました。自由参加でしたが、会費は1人2万円。出費を少しでも抑えたかった僕は、欠席することにしました。
ところが、それを知った課長は不満そうで……。「そんな額も払えないのか? そんなに貧乏なのかよ(笑)」と笑っていました。課長は普段から、僕が節約していることを、小バカにするところがあったのです。
僕が家庭の事情を説明しても、「社会人なのに付き合いが悪いな」と嫌味を言うばかり。何度言っても伝わらなかったため、言い返さずに普段通り聞き流していました。
BBQ当日、課長の暴言がエスカレート
迎えたBBQ当日。僕は終わっていない作業をするため、休日出勤をすることになっていました。
会社に到着すると、玄関前にはBBQ会場へ向かう送迎バスが。参加する社員たちが集まっており、その中には課長もいました。僕を見つけた途端、課長は「おい、まさか今さらBBQに参加したくなったのか?」とニヤニヤしながら近づいてきました。
僕が「いえ…今日は仕事なので」と答えると、課長は周囲に聞こえるほど大きな声で笑い始めたのです。
「聞いてくれよ。こいつ、妹の学費を払っているせいで金がないんだと!」。さらに、「毎日安そうな手作り弁当ばっかり食ってるもんな。そこまで節約しなきゃいけないなんて…惨めだわ」と僕が普段持参している弁当のことまで持ち出して……。
周囲の社員たちは、困惑した表情を浮かべていました。それでも課長は、笑いを取れていると思ったのか、からかうのをやめませんでした。
僕は妹のことまで笑いものにされている感じがして、悔しい気持ちでいっぱいでした。すると突然、女性社員の大きな声が響いたのです。
女性社員のひと言で課長が真っ赤に!
「私、今日のBBQには参加しません!」。
声の主は、普段から仕事でお世話になっている女性社員でした。
「家族のために頑張っている人を笑いものにするなんて、聞いていて気分が悪いです。そんな雰囲気のBBQなら、私は行きたくありません」。
課長は「冗談に決まってるだろ!」と慌てて反論。ところが、女性社員は「冗談なら、人の家庭の事情を大声で言いふらしてバカにしてもいいんですか?」と引き下がりませんでした。
すると、周囲からも「さすがに言い過ぎですよね」「僕も今日は参加をやめます」と声が上がり始めました。
予想外の反応に、課長は顔を真っ赤にして沈黙。参加を取りやめようとする社員たちを前に、ようやく「悪かった、調子にのって言い過ぎた」と僕に謝罪をしてきました。
その日は、予定通りBBQがおこなわれたようで、課長はしおらしくしていたそう。この日以降、課長が僕の家庭の事情をからかうことはなくなりました。
そして、庇ってくれた女性社員には、後日改めてお礼を伝えました。彼女の勇気あるひと言に、僕は心から救われたのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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