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え、念入りにしなくてもいいの? 赤ちゃんの歯磨きがラクになるコツ【ラクに楽しく♪特集】

保育士の中田馨さんが、赤ちゃんの歯磨きがラクになるコツについてお話ししてくれました。歯が生える時期、歯磨きのステップの基本などをまとめて解説!

赤ちゃんの歯磨きのイメージ

 

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こんにちは、保育士の中田馨です。5~6カ月ごろになると乳歯が生え始めます。そこで考えていきたいのが「歯磨き」。乳歯のころに虫歯になると、永久歯の歯並びや虫歯などに影響が出ることがあるので乳歯からの歯磨きはとても大切です。赤ちゃんのときから歯磨きを習慣にするには「楽しく歯磨きをする」ことと、ママがラクにできることです。毎日の歯磨きは、親子のスキンシップだと思って気軽に取り組んでみましょう。

 

赤ちゃんの歯が生える時期と生える順番

歯の生える時期と生える順番は以下を参考にしましょう。歯の生える時期は、1歳まで生えない子もいますし、舌の歯が1本だけ先に生えてくる子もいます。個人差があるのであくまで目安としてとらえましょう。

 

【歯の生える時期の目安】

■5~6カ月ごろ・・ 下の前歯が2本生えてくる

■10カ月ごろ・・・ 上の前歯が2本生えてくる(合計4本)
■1歳ごろ・・・・・上下の前歯が4本ずつ生えてくる(合計8本)
■1歳6カ月ごろ・・ 手前の奥歯が上下4本生えてくる(合計12本)
■2歳ごろ・・・・・犬歯が生えてくる(合計16~18本)
■3歳6カ月ごろ・・ 上下の乳歯が生えそろう(合計20本)

 

赤ちゃんの歯磨き 基本のステップ

乳歯の生え始めのころ

乳歯が生え始めるころの赤ちゃんは、歯茎をかゆがったり、物を口に入れてしゃぶったりする姿が見られます。このころの歯のケアはガーゼで歯を軽く拭く程度です。まず、手を洗った指にガーゼを巻きます。ガーゼは乾いていても濡れていてもどちらでもOK。まずは、唇や口の周りにガーゼを当てて慣れることからスタートし、様子を見つつ口の中にそっと指を入れ、歯茎全体をなでるように触る程度にして拭いていきます。歯磨き剤は必要ありません。歯ブラシに慣れるためにトレーニング用の歯ブラシを使ってOKです。
 

前歯が生えそろうころ

上下の前歯が4~8本くらいになってきたら、専用の歯ブラシを用意し始める目安です。弱い力で歯ブラシを動かします。赤ちゃんも歯ブラシを持ちたがるようなら、赤ちゃんが磨く用の歯ブラシを持たせます。パパとママも歯磨きをして見本になってみましょう。歯磨き剤は必要ありません。
 

奥歯が生えるころ

1歳を過ぎたら、朝晩の歯磨きを習慣にしていく時期です。子どもが磨く用の歯ブラシを持たせます。この歯ブラシは噛んでもOKです。赤ちゃんの「自分でしたい」気持ちを優先します。ただ、自分で歯磨きするときに歩きながらや、寝転びながらさせるのは事故防止のためにもやめましょう。仕上げ磨きは大人がします。歯磨き剤は必要ありません。歯磨きはしなくても、食後やおやつの後に湯冷ましを飲んで口の中をスッキリさせる習慣を取り入れましょう。
 

乳歯が生え揃うころ

子どもが磨く用の歯ブラシを持たせ自分で磨きます。仕上げは大人がしましょう。うがいができるようになってきたら歯磨き剤を使ってもOKです。おやつのあと、歯磨きはしなくても、うがいを取り入れるだけでも口の中はスッキリします。

 

赤ちゃんの歯磨きがラクになるコツ

毎日の歯磨きは楽しくラクに取り入れたいものです。そのためにはママの「何が何でもきれいに磨かなければ!」という気合を半分にすることからスタートさせましょう。

 

実は私が、長男のときにこの気合いで失敗した母親の一人。「とにかくきれいに磨かなければ!」という思いがありました。では、もし子どもが嫌がったときはどうすればいいのでしょうか。そんなときは、ガーゼでふき取る、湯冷ましを飲む、うがいをする、それで終了する日があってもOKなのです。

 

とはいえ、歯磨きがラクになる実際のコツも伝授しますね。ママが右手で歯ブラシを持っているとして手順を説明します。


【1】赤ちゃんの頭をママのひざにおいて仰向けに寝かせます。
【2】上の歯を磨くときは左手人差し指で上唇を押さえて磨きます。
【3】下の歯を磨くときは、左親指で下唇を押さえて磨きます。
【4】奥歯を磨くときは、左人差し指で唇の先をひっかけて軽く広げて磨きます。


上下の唇を指で押さえることで、赤ちゃんの歯茎に歯ブラシが当たらず、赤ちゃんが痛がるのを防ぐことができます。痛いことが歯磨きを嫌がる原因のひとつなので、「赤ちゃんが痛がらないこと」が、歯磨きがラクになるコツです。


また、磨くときは必ず弱い力で。ブラシが当たっている部分を「10」数えながら磨きます。「10くらいでいいんだ!」と思うと、気持ちもラクになりますね。
 

よくあるQ&A

Q:歯並びがよくなるためにはどうすればいい?
A:よく噛むことが大切かなと思います。離乳食期は、各時期、赤ちゃんの発達に合った固さ、大きさのメニューを用意することで噛むことを覚えていきます。噛む練習になる根菜類をメニューに取り入れて丈夫なあごを育てましょう。

 

Q:虫歯菌は大人から感染する?
A:虫歯菌は大人の唾液から感染すると言われています。口移し、スプーンの共用などは極力避けましょう。

 

Q:歯と歯の間に隙間がある
A:隙間があることはよくあることです。これから生えてくる歯のためのスペースだと言われています。気になる場合は、健診の時に医師に聞いてみましょう。

 

Q:歯磨きを泣いて嫌がる
A:鏡を使ってみてはいかがでしょうか? 私の友人の歯科衛生士さんが「何をされているのか不安になっている子もいるから、歯磨きの様子を手鏡で一緒に見ると泣き止むことがあるよ」と教えてくれました。

 


長男のときに失敗した私はその経験を生かし、次に生まれた娘にはゆったりとした気持ちで歯磨きをしたので、娘は一切嫌がることなく育ちました。さらに、保育所の子どもたちが嫌がるときは「じゃあ、1回だけぐちゅぐちゅぺーしよう!」と緩やかに誘います。そうすると、1回だけのはずのぐちゅぐちゅぺ―が、2〜3回としてくれることも!

 

大切なのは毎日念入りに歯磨きすることよりも、楽しく毎日の習慣として生活に取り入れること。肩の力を抜いて、赤ちゃんとのスキンシップの時間を楽しんでください。

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士中田馨
    一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長

    0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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