春の大型連休も終わり、ふだん通りの生活を過ごされている方も多いと思いますが、4〜5月は連休だけでなく、職場やお住まいが変わったり、保育園や幼稚園が始まったりと、生活環境の変化が出費にも影響する時期です。今回は家計の平均的なイメージと家計改善のポイントについてお話したいと思います。
まずは貯蓄できる家計に体質改善!
家計の相談を受ける際に、「平均ではどのくらいですか?」「平均的な家庭ではどれくらい貯金しているものですか?」と、ご質問されることが少なくありません。
基本的な数字をお答えすることはあるものの、ご家庭ごとに収入の状況も変われば、人数や年齢などに伴う支出も変わります。「お子さんが高校生・大学生で学費がたくさんかかる時期以外はなるべく貯蓄できるように家計を設定しましょう」とお伝えすることが多いのですが、参考までに総務省・家計調査の数値を簡単にまとめました。
家計の平均データを知ろう
◼︎支出総額:268,180円
《主な項目》
◼︎食費:62,656円
◼︎光熱・水道費:19,387円
◼︎住居費:25,921円
※出典:2015年(平成27年)総務省統計局「家計調査結果」〈 http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk02.pdf 〉二人以上の世帯・40歳未満の平均より
あくまでも平均値ですので、住居費の約25,000円は違和感がある方もいると思います。しかし、この金額は、親との同居や社宅など、住居費が少ない家庭も含めた平均値であることをご承知おきください。 以前のコラム「子どものための貯金ができない!どうやって貯めればいい?」でもお話した《収入-支出=貯金》から《収入-貯金=支出》の家計にできるように体質改善を図りましょう。
得意な節約方法から始めましょう
「節約の方法がわかりません」「節約が長続きしません」といったこともよく耳にするのですが、誰にでもすぐに分かるような無駄な出費や、常識ではありえない借金を削減する以外の節約は、効果がすぐに出てこないことも少なくないので、実感がわかないことも多いです。
しかし月5,000円の節約でも1年にすると6万円、30年では180万円と、ちりも積もれば効果も大きくなります。性格によって向く節約方法、向かない節約方法がありますので、得意な節約方法から取り組んでみてください。
コツコツ派の人におすすめの節約方法
コツコツできる方は小さいことの積み重ねをしましょう。おすすめの節約術は下記になります。
①家計簿をつけて無駄を把握する
②冷蔵庫に入っている食材を把握して、無駄な食材を買わない
③保存できる食料品や生活用品は底値を意識して買う
④携帯電話や光熱費の料金プランを定期的に見直す
コツコツが苦手な人におすすめの節約方法
日々コツコツすることが苦手な方は、一時は手間がかかりますが、一度設定すると継続できる手続きによる節約から始めましょう。
①住宅ローンの借換え・金利見直し
②生命保険・損害保険の見直し
③携帯電話・インターネットの契約変更
④電力会社の変更
⑤給与天引き・口座振替の貯蓄の設定
これらは一度設定すると再設定するのに手間がかかるため、自動的に節約できお金が貯まっていきます。
無理して節約をしたあとに苦しくなり、すべての節約をやめてしまうことがないようにできることから始めてください。夏を迎える前に一つでもできることがないか考えてみるといいでしょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。