日本でも妊婦さんが新型コロナウイルスに感染…。感染後の対策は!?

2020/04/07 15:25
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妊婦中に新型コロナウイルスに感染したら……。この記事では、日本産婦人科感染症学会や日本新生児成育医学会が提案している妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したときの対応について紹介しています。

発熱のイメージ

 

令和2年4月6日、千葉県で20代の妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したという報道がありました。もし、妊婦中に新型コロナウイルスに感染したら……。今回は、日本産婦人科感染症学会や日本新生児成育医学会が提案している対応についてご紹介します。
 

妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したら重症化しやすい!?

現時点では妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない人と変わらないとされています。

 

しかし、一般的に妊娠中は免疫機能が低下しやすいことや、大きくなった子宮に横隔膜が持ち上げられ、呼吸が抑制されたり、うっ血(血液の流れが悪くなり、静脈の血が異常に多くたまった状態)しやすいことから重症化する可能性があるとしています。

 

妊婦さんの呼吸状態が悪化すると、おなかの中の赤ちゃんにも十分な酸素が供給されず、状態が悪化してしまうおそれもあります。
 

出産はどうなる?

日本産婦人科感染症学会によると、妊娠末期(分娩前)に新型コロナウイルスに感染した場合、指定医療機関で分娩をおこなうことになるとしています。そして、ママと生まれた赤ちゃん共に新型コロナウイルス陰性が確認されるまで面会も授乳もできないとしています。

■感染症指定医療機関の指定状況(平成31年4月1日現在)

また、主治医の判断により感染の有無にかかわらず、ご家族の立ち会い分娩や面会は感染予防のため極力控えてもらうようになるようです。

 

参考:■日本産婦人科感染症学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について    妊娠中ならびに妊娠を希望される方へ 」   


新型コロナウイルスによる母子への影響は?

日本新生児成育医学会では、


・新型コロナウイルスに感染した母親9 人において子宮内感染はなかった
・新型コロナウイルス肺炎を発症した母親から生まれた赤ちゃんは、子宮内感染はなかったものの因果関係までは明確にされていませんが、死亡、胎児機能不全、早産出生、呼吸障害、血小板減少、DIC などがあった
・その後も、子宮内感染が起こりやすいことを積極的に支持する報告はない
・中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS)感染妊婦からの出生児と似ている・新型コロナウイルス感染に関連する周産期および出生後早期の新生児領域に関する情報は非常に限られている


という海外の報告を紹介しています。そのうえで、「新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について 」の提案をしています。

 

新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について

日本新生児成育医学会では、現時点において、生まれたばかりの赤ちゃんが新型コロナウイルス感染した場合、重症化するかどうかは明らかではないとしていますが、感染を防ぐ対応として、主に隔離および飛沫・接触感染予防策を推奨しています。

 

母親が新型コロナウイルス感染症を発症し分娩に至った、あるいは、感染症症状消失後まもなく分娩に至った場合

ウイルスの飛沫・接触感染を防ぐために、分娩後から母親は個室隔離、子は保育器隔離またはコホート隔離(集団隔離)をおこない、十分なスペースがない場合は他の赤ちゃんとの間をパーテーションなどで分離するとしています。

 

母親が分娩後~産院退院までに発症した場合(カンガルーケアや直接授乳などすでに濃厚接触している場合)

個室で母子同室による隔離をおこない、赤ちゃんを保育器に収容するなどの予防策を講じるとしています。そして、状況によっては赤ちゃんを厳重に管理できる環境に移送することもあるようです。

 

早産児

在胎37週0日以前に生まれた早産児については、多くの赤ちゃんがNICU に入院していることから、可能であれば陰圧管理可能な個室管理とし、それができない場合は、保育器管理のうえ、他の赤ちゃんとの間隔を2m確保し、早産児の治療やケアをおこなうとしています。そして、保育器がない場合は、ほかの赤ちゃんと2m以上離してコホート隔離をおこなうよう提案しています。

 

また、NICUへの入室については、感染のリスクが低くなったと判断されるまでは、原則、NICU へ入室できなくなるようです。

 

母乳の取り扱い・直接授乳について

直接授乳や搾乳に関して、現時点においては、直接授乳は避けることが望ましいとしていますが、母乳はできるだけ搾乳し、赤ちゃんに与えるよう提案しています。

 

しかし、


・母親が解熱し状態が安定していれば、手洗い等を行った上で搾乳により母乳を与えることは可能(日本小児科学会)
・母乳を搾乳で与えることを推奨し母親の十分な飛沫・接触感染対策を行えば、直接授乳も可能(CDC:米国疾病予防管理センター)
・母乳中のコロナウイルスPCR 検査で陰性の確認をしてから母乳を与えることを推奨(中国)
・新型コロナウイルス感染に関連した母乳の情報は現時点で非常に少ない


とのことから、今後の方針が改定されることもあるようです。

 

そして、現時点で、直接授乳ができるようになる明確な基準はなく、設けることはできないとしたうえで、母親の症状が消失し、感染のリスクが低くなったと判断されたときからおこなうことをすすめています。

 

参考:■日本新生児感染症医学会「新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について」

 


新型コロナウイルスに感染した千葉県の妊婦さんは軽症で、通院していた感染症指定医療機関に入院しているとのことです。この妊婦さんが1日も早く快復し、無事出産できるとともに、妊婦さんはもちろん、これ以上感染が広まらないことを祈るばかりです。不安な日々が続いているかと思いますが、手洗い、3「密」を避けるなどの基本的な対策をおこない、感染予防に努めましょう。
 

 

監修者・著者

助産師 REIKO


医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。



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