待って! 足が濡れてるから!
平日の夕方、お風呂を洗っていた私のところへ娘がやってきました。聞いてほしいことがあったようで、浴室の中まで入ってきたのです。ひと通り私に話をして、満足そうに部屋へ戻ろうと、濡れた足でそのまま駆け出しました。
「待って! 足が濡れてるから!」と私がそう思って止めようとしたのですが、ひと足遅かった! 浴室前にバスマットを敷いていなかったので、娘は浴室から出たところで滑って転び、あがり段に後頭部をぶつけてしまったのです。「あちゃー! 遅かった……」。娘の後頭部には大きなたんこぶができてしまいました。
人生初の救急要請
たんこぶができたので、冷してあげようと保冷剤を用意。保育士をしている私は、転倒時の処置は慣れていたのでここまでは慌てずに対応ができました。しかし保冷剤を当て始めると、たんこぶだけでなく傷ができていたようで、少量ですが、血が出てきたのです。
「後頭部から出血! 大丈夫かな!?」と突然怖くなってきた私は、冷やすのも危ないような気がして、急いで救急車を呼びました。救急要請をするのは人生初。そばでは娘が大泣きしているけれど特段、処置をしてあげることもできず、救急隊が到着するまで心臓がバクバクしていました。
離れた地域の病院へ
救急隊が到着すると、娘は怖がってさらに泣いてしまいました。私もどうしたら良いのかわからずオロオロ。救急隊の人が、「お母さん、落ち着いて」と声をかけてくれました。
怪我の状況を聞かれたので説明すると、幸い、娘は意識がしっかりしていたので緊急性は高くなかったようです。とりあえず病院で詳しく診察して処置をしてもらうことに。搬送できる病院が近くになかったので、少し離れた地域の病院まで行くことになりました。
大事に至らずひと安心
救急車に乗ると、最初は回転灯の光を怖がって泣いていた娘も次第に冷静になってきて落ち着いた状態で病院へ到着。病院では、レントゲン撮影をして頭部に異常がないか診てもらいました。結果、特に異常は見られず。
出血していたところもすでに止血していたので、消毒だけしてもらい帰宅しました。頭を打っているので、念のため24時間は安静にして様子を見るようにと医師から指示があり、翌日の保育園は休んだのですが、娘は何事もなかったかのように元気いっぱい。大事に至らずひと安心でした。
人生で初めて救急車を呼んで対応した体験は、ハラハラしてとても怖かったのですが、私にとって良い教訓になりました。子どもは突然、予測できない動きをすることもあるので、常に注意を払って安全に配慮しなければならないなと感じました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/みいの
著者:斎藤ますみ
1児の母。保育士として働く傍ら、自身の出産・子育て経験をもとに、妊娠・出産・育児に関する記事を中心に執筆している。