新型コロナウイルスは、経済面にも大きな影響を及ぼしています。二転三転しながらも、政府は全国民を対象に「特別定額給付金」として一律10万円を支給することにしました。しかし、この給付金、赤ちゃんが生まれたタイミングによってはもらえないということをご存知ですか?
特別定額給付金って?
特別定額給付金というのは、令和2年4月20日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」です。簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援をおこなうため、受給対象者は基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者となっています。
住民基本台帳とは、各市町村が住民票(当人がその場所に住んでいることを書面の形で証明するもので、「氏名」「生年月日」「性別」「住所」「住民となった年月日」「届出日」などが載っています)をまとめたもので行政サービスの基礎として利用されています。
4月27日に住民基本台帳に記録されていないと10万円がもらえない!?
特別定額給付金受給対象者が令和2年4月27日の段階で住民基本台帳に記録されている者が対象ということは、住民登録をしている人は10万円がもらえるということになります。なので、国籍は問わず、住民票を届け出ている外国人や海外に居住していても住民基本台帳に記載されている場合はもちろん、4月27日に死亡した人も対象となる見込みのようです。
赤ちゃんの住民登録をするには、出生届を提出する必要があります。……となると、4月27日までに生まれた赤ちゃんはどうなるのでしょうか?
慌てなくても大丈夫!
出生届を提出する際には、出生証明書と母子健康手帳が必要になります。産院によっては、ママと赤ちゃんの退院時に出生証明書と母子健康手帳をお渡しするところもあったり、出生届を提出する先が里帰り先など居住地と異なる場合など、受理・登録までに時間がかかってしまうこともあります。
ですが、総務省によると、令和2年4月27日中に届出が受理されていなくてもあとから受理されれば支給の対象となるとのこと。出生届は、赤ちゃんが生まれてから14日以内に提出すればよいので、慌てる必要はなさそうです。
「嫡出(ちゃくしゅつ)推定」による無戸籍の子は!?
なかには、夫からの暴力を理由に避難している方もいらっしゃいます。今住んでいる市区町村に住民票が移せないという方は、申出期間中(令和2年4月24日から4月30日まで)に今住んでいる市区町村の特別定額給付金担当窓口へ「申出書」を提出することで、特別定額給付金の申請ができるようです。
また、民法の「嫡出(ちゃくしゅつ)推定:妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」により、夫の家庭内暴力から逃れた妻が新しいパートナーとの間に子ができても、出生届を出さないというケースも増えてきているようです。すると新しいパートナーとの間にできた子どもは無戸籍となって、今回の給付金受給の対象外となってしまいます。それを受け、公明党が総務省などに要望し、高市早苗総務相が対象に含める意向を示したということです。
特別定額給付金を盛り込んだ2020年度補正予算案は、4月27日に国会提出し、5月1日までの成立を目指すとのこと。給付金受給の申請受け付けと給付の時期は各市区町村のよって異なるようですが、迅速な対応が望まれます。