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「叱る」と「怒る」は違う!? 子どもの叱り方についてのポイント

子育てでイライラしてしまうというママも多いと思いますが、それは一生懸命ママを頑張っているという証です。今回は子どもの叱り方をテーマにし、日々の子育てが少しでもラクになるように専門家のアドバイスをご紹介いたします。

この記事の監修者
監修者プロファイル

臨床心理士塩﨑 尚美
日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授(臨床心理士・公認心理師)

1986年上智大学文学部心理学科卒業、浜松医科大学精神神経医学教室研修生を経て、精神科病院、精神科クリニックに 勤務しながら、保健所発達相談も行う。その後お茶の水女子大学大学院に入学。 2002年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達学専攻博士課程 単位取得満期退学 2003年 相模女子大学学芸学部人間社会学科 講師、准教授 2007年 日本女子大学人間社会学部心理学科 准教授 2015年 同大学教授に就任 著書に「子どもを知る・臨床心理学」(共著 北大路書房) 「実践に役立つ臨床心理学」(編著 北樹出版) 「子育て支援の心理学」(共著 有斐閣) 「保育相談支援―保育内容・方法を知る」(共著 北大路書房) 「乳幼児・児童の心理臨床」(共編著 放送大学教育振興会)などがある。
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叱り方に悩むママ

 

多くのママが悩みがちな子どもの叱り方について、日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授の塩崎尚美先生にお話しいただきました! 「叱る」と「怒る」の違いや、叱り方の実践方法などを詳しく説明しています。

 

「叱る」と「怒る」の違いとは!?

子どもの叱り方について悩むママは多いですが、「叱る」と「怒る」を区別して考えるといいと思います。「叱る」とは相手の行動など良くない点を指摘し、ルールをしっかりと伝えていくことで、「怒る」は感情的になり、自分が腹立たしいことを相手にそのままぶつけることです。

 

ですから、子どもを叱るときは、できるだけ冷静に伝えたほうが子どもに伝わりやすくなります。そのため深呼吸などをし、リラックスして気持ちを落ち着かせることが重要です。感情的になり、そのまま子どもに言いたいことをぶつけるのではなく、冷静になってから子どもに伝わるような言い方で伝えましょう。

 

叱るときの注意点! 「短く何度も」が効果的

叱るときに注意したいことが、子どもが傷つく言葉(人格を否定する言葉)を使ったり、感情的になったり声を荒げたりすることです。このような叱り方をすると、子どもの心がとても傷ついたり、萎縮してしまいます。そのため、叱るときは冷静になり、目線をしっかりと合わせて、「どうして〇〇してしまったのか」と子どもに理由を聞き、「何がいけなかったのか」などをしっかりと伝えることが大切です。

 

また、あまり長く叱らないということもポイントです。話が長くなると、子どもの頭の中に内容が入ってこなくなるので、様子を見ながら「もう話を聞いていないな」と思ったら、言うのをやめたほうが良いです。「言葉が子どもに入っているかどうか」ということが大切になるので、それを見極めて伝えましょう。

 

年齢にもよりますが、大体4~5歳までの子どもだと集中力は2~3分しか続かないため、手短に伝えるようにします。情報量が多すぎると、子どもの頭の中に何も残らなくなってしまいます。子どもの記憶は一度言われて定着するというわけにはいかないので、「その都度短く叱る」ということがママやパパの労力も少なくなるほか、子どもにも伝わりやすい叱り方です。

 

「叱り方のOK・NG例」

◇NGの叱り方)「そんなことする子は嫌い」、「どうしてそんなに悪い子なの」

 

子ども自身の存在を否定するような叱り方になっているため、このような言い方をすると、子どもは傷ついてしまいます。叱るときは子どもの存在を否定する言葉を言うのではなく、子どもがやってしまったことに対して冷静に指摘することが大切です。

 

◇OKの叱り方)「●●したら危ないからダメだよ」、「●●したらママは悲しいな」

 

子どもの行動について危険ということを知らせたり、ママ自身がどんな気持ちでいるのかを率直に伝えています。どちらも子どもの行動に対して指摘しているところが、NGの叱り方と違う点になります。

 

イヤイヤ期の叱り方は「その都度手短に!」

イヤイヤ期は「手短に言うこと」と、「何回も繰り返す」ことが大切です。イヤイヤ期は長々と叱ってしまうと、ますます子どものイヤイヤが強くなり、火に油を注いでしまうような状態になってしまいます。そのため、子どもが悪いことをしたら理由などは言わずに「それはダメ! 」「それはいけないよ! 」と止めて叱るようにします。その都度止められることで子どもは「これは危ないことなんだ」と学習していくからです。

 

イヤイヤ期は「何度も伝える」ことが大切な時期なので、根気強く繰り返し伝えます。何度も言っていれば、1年くらいかけて子どもの中に入っていくので、イヤイヤ期の叱り方は長期戦と考え、手短に繰り返し伝えましょう。

 

言い過ぎたら…関係が修復される魔法の言葉でフォロー! 

叱ったあとにフォローを入れることで、子どもも叱られたことを前向きに捉えやすくなります。ママやパパと子どものわだかまりを緩和するためにも叱ったあとは、ハグをする、少し言いすぎた場合は「言いすぎちゃってごめんね」と謝るなどフォローを入れることで、子どもも素直にママやパパが言ったことを受け入れやすくなります。

 

例えば、ママが子どもに言い過ぎてしまったら、パパが子どものフォローに入るといいでしょう。

 

パパは「○○ちゃん(くん)も怒られて悲しかったね」など、子どもの気持ちに寄り添いながらも、「ママは○○ちゃん(くん)のことが嫌いで叱ったわけではないよ」とひと言伝えます。そうすることで、子どもは「自分のことが嫌いでママは怒っているわけじゃないんだ!」と安心することができ、ママと○○ちゃん(くん)の関係性は修復されます。

 

あまりくどくどと言ってしまうと子どもは飽きてしまうので、このひと言だけでもパパがしっかりと伝えてあげると、子どもの気持ちが安心し、気持ちを切り替えやすくなります。

 

 

今回の「子どもの叱り方」についてのポイントは、「①子どもの集中力を考えて手短に叱る」ことと、「②子どものことが嫌いで叱っているのではないと伝える」の2点になります。特に②を伝えるのと伝えないのでは、子どもとの関係性がかなり違ってくるので、ぜひ伝えてみてください。

 

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イラスト/sawawa

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