初めて言われた、「ママ嫌い!」
私ひとりで双子にごはんをあげていたときのことです。娘が椅子の上に立ち上がり、食事がまったく進まないときがありました。最初は、「ごはんちゃんと食べようね」「座らないと危ないよ」などやさしく声をかけましたが、娘は「イヤ」と言って拒否。
椅子に座らないどころか、「ママき嫌い! ママ嫌い!」と言って、わざと食べ物がのったお皿を机から落として反抗したのです。
「ママ嫌い」と娘から初めて言われた私はショックを受け、数秒固まってしまいました。
落ち込むママに、双子の弟がとった行動
すると、娘の隣で黙々とごはんを食べていた息子が、突然手を止めて私のほう見ました。そして、息子が「ママ好き! ママ好き!」と言ってくれたのです。
その後も、お風呂やねんねの時間などで「ママ嫌い」と娘が言うたびに、息子は「ママ好き」と言ってくれるようになったのでした。
あのときの息子は、私が娘の言葉で傷ついたと感じたのでしょう。娘と同じくイヤイヤ期の息子は、普段は何でも「イヤ」と言いますが、「ママ嫌い」とだけは言いません。娘の「ママ嫌い」の言葉によるダメージを打ち消すために、「ママ好き」と言ってくれているのだと思います。息子の思いやりあふれる行動に、日々感動するのでした。
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監修/助産師 松田玲子
イラスト/森田家
著者:長谷川 なぎ
4回の体外受精の末に男女の双子を授かった、2児の母。営業事務やコールセンターのオペレーター、イベントスタッフ、工場ワークや物流会社での肉体労働など、学生時代からさまざまな職種を経験。現在は、多彩なジャンルでライターとして活動中。