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吸引分娩でわが子の頭が…。頭血腫について助産師が教えます!

ベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】のなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんの頭血腫(とうけっしゅ)に関するご相談です。

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「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんの頭血腫(とうけっしゅ)に関するご相談です。

 

Q.頭血腫が最近大きくなってきたような気がしてしまい、不安です

生後18日の女の子のママです。分娩が長引き、娘の心拍も何度が下がってしまったため吸引分娩となりました。そのせいで娘の頭には頭血腫があるのですが、最近大きくなってきたような気がしてしまい不安です。退院時には高かった黄疸の値も落ち着き、光線治療にもならずに済み、先日の2週間健診でも問題ないとは言われたので心配するほどのことではないのでしょうが、私のせいで娘に傷をつけてしまったという罪悪感もあり、気になって仕方ありません。頭血腫がある場合、日々の生活のなかで何か気をつけることはありますでしょうか。

 

高塚あきこ助産師からの回答

吸引分娩時に赤ちゃんの頭を吸引するときに、骨膜が頭蓋骨から引き剥がされ、骨膜のすぐ下を通る静脈が破綻することで頭に血が溜まって頭血腫ができる場合があります。生後数週~数カ月たつと自然に消えるので、基本的には経過観察となります。もし、著明に増大してきたり、お子さんがあまりおっぱいや育児用ミルクを飲まなくなってしまったり、元気がないなどがあれば、産院でご相談なさってみてくださいね。


※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー

※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください

 

頭血腫とは?

経腟分娩の場合、赤ちゃんは陣痛(子宮が収縮する力)に押し出されるように、頭で産道や子宮口を押し広げながら生まれてきます。このとき、赤ちゃんは頭を一時的に変形させることで、スムーズに産道を通ることができるようになっています。とはいえ、狭い道を通って出てくるので、産道や子宮口での圧迫によって体液の流れが滞り、むくみやコブができたり、出血したりすることがあります。


生まれてきたばかりの赤ちゃんのコブには種類があります。その1つである頭血腫は、産道を通るときに頭が圧迫されたり、吸引分娩や鉗子分娩など強い圧力が一時的に加わったりした際に、頭の骨と頭の骨を覆っている骨膜が剥がれて出血し、骨膜の下に血液が溜まった状態のことを言います。帝王切開や逆子での出産でも発生することもあります。

 

頭血腫の特徴

頭血腫は、手で触るとプヨプヨした柔らかさを感じるコブのようなものです。産瘤とは違って、触ったあとの跡形は残りません。頭の骨と骨膜の間で、ある程度出血したあとに、自然と出血は止まり、血液が溜まります。


赤ちゃんの頭蓋骨は数枚の骨がパズルのように組み合わさって作られているため、頭血腫は一カ所だけでなく、別々の骨の上に同時に発生することもあります。ただし、骨の継ぎ目を超えてコブができることはありません。


頭血腫は生後1~2日目から目立ち始め、生後数週間経つとコブの周辺部から硬くなり、触るとピンポン玉のようにペコペコ凹むようになって、やがて吸収されて消えます。小さいものでは生後1~2カ月で自然と消えますが、大きいものでは1歳ごろまで硬いコブのように触れることもあります。


赤ちゃんの頭蓋骨は、脳の成長に合わせて自然と少しずつ丸い形になっていきます。頭血腫のない赤ちゃんと頭の形を見比べてしまうこともあるかもしれませんが、焦らず見守りましょう。

 

頭血腫による赤ちゃんへの影響

頭血腫は頭の骨の外側での出血なので、脳への影響はありません。自然に吸収されるため、基本的に治療の必要はなく数カ月かけて目立たなくなり、ほとんどの場合、その後の頭の形には影響しません。


気を付けなければならないのが黄疸です。黄疸とは、ビリルビンと言う物質が皮膚や白目の部分に溜まり、全身が黄色っぽくみえることを言います。


頭血腫がある赤ちゃんは、頭の骨と骨膜との間で出血を伴った状態であるため、出血した際に壊された赤血球がビリルビンという黄色い色素を作ります。ビリルビンは肝臓で処理されて、便と共に排泄されます。おなかの中にいたときは、赤ちゃんのビリルビンはお母さんの肝臓で処理をしていましたが、生まれてからは自分の小さく未熟な肝臓で処理するため、処理が間に合わず黄疸が強く出る傾向にあるのです。

 

生後1週間は、外見でわかる黄疸が起きることは生理的な黄疸なので問題はありません。入院中は生理的な黄疸の程度を毎日診察していますので、治療が必要となれば医師から説明があります。基本的に黄疸の程度が強くなるピークは過ぎたころに退院となります。出産した施設を退院したあとに、赤ちゃんの見た目が黄色くなったような気がする、おっぱいや育児用ミルクをなかなか飲まないなど赤ちゃんに気になる様子があれば、出産した施設へ連絡して相談しましょう。

 

頭血腫のある赤ちゃんのお世話について

頭血腫の部分を強く圧迫することだけは避けましょう。頭血腫を触ると痛みを感じるのでやさしく触れるようにしましょう。授乳や沐浴(入浴)など、赤ちゃんの日常生活については通常どおりで大丈夫です。生後間もない時期に頭血腫の皮膚表面が傷ついていたり、赤くなっていたりする場合のケアについては、医師や助産師から教えてもらいましょう。


※参考:基礎知識(ベビー)「【医師監修】赤ちゃんの頭にできる頭血腫(とうけっしゅ)って何?」【監修者:医師 松井 潔 先生 小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】

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