こんにちは!助産師のREIKOです。生まれたばかりの赤ちゃんに何かあったら……と1度は考えたことはありませんか?順調な経過で出産したらお世話になることはあまりない施設かもしれません。でも、もしかしたらお世話になるかもしれないのがNICUです。
NICUとは、「Neonatal Intensive Care Unit」の略で、新生児に特化した専用の集中治療室のことです。今回は、そんなNICUとはどんなところなのかご紹介します。
NICUってどんなところ?
NICUは総合周産期母子医療センターやこども病院、総合病院など、比較的大きな病院に設置されていて、生まれたあとに何らかのケアが必要な赤ちゃんが入院しています。
NICUに入院している赤ちゃんの多くは「ママのおなかの外の生活に適応できていない」状態といえます。そのため、外の生活に慣れるようなお手伝いをしているというのが治療の中心です。
院内だけでなく、そのほかの産院で生まれた赤ちゃんも搬送されて来る病院もあります。そのため、新生児搬送専用の救急車を持っている施設も多くあります。
NICUではどんなスタッフが働いているの?
NICUには医師、助産師、看護師はもちろん、さまざまな職種のスタッフが働いています。
大人は必要な検査などがあれば、自ら検査室に行くことが多いですが、NICUでは放射線技師、理学療法士などが来てくれます。栄養士が調乳したり、薬剤師が点滴を作ったり、ME(臨床工学技士)が赤ちゃんに使用している機器を管理したり……と、たくさんのスタッフが赤ちゃんを支えています。
担当の赤ちゃんはわが子同然!スタッフも愛情いっぱいで関わっていますよ。
NICUではどんな治療をするの?
NICUに入院が必要な赤ちゃんの多くは、「ママのおなかの外の生活に適応できていない」状態のために、なるべくママのおなかの中と同じような環境を作り、まだ未熟な呼吸や消化、体温コントロールを保育器、呼吸器、点滴などで補っています。
小さな赤ちゃんを取り巻く、たくさんの器械にびっくりするかもしれませんが、それと同じような機能がママのおなかに備わっているなんてすごいですよね。
そのほか、今後起こりうる症状が出ないよう、予防的な治療もおこなっています。
NICUの退院はいつごろ?
NICUに入院している赤ちゃんの退院の時期は、施設ごとに体重や修正週数など、基準があることが多いです。赤ちゃんの状態だけでなく、ママの育児状況やおうちの受け入れ態勢などをみて、退院が決まります。
その後、小さく生まれた赤ちゃんは、退院後も定期的に成長・発達の状態を外来で見ていくことになります。
今回ご紹介したのは、NICUのほんの一部です。元気な赤ちゃんが生まれることに越したことはないですが、もしも生まれたばかりの赤ちゃんに何かあった時、NICUがあると思うと安心ですよね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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