こんにちは、離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食が進んでいくと、赤ちゃんが自分で食べ物に「触ってみたい」「食べてみたい」という気持ちが芽生えてきます。今回は手づかみ食べを含め、離乳食の後片付けがラクになる食べさせ方を紹介します。
手づかみ食べはメリットがいっぱい
生後9カ月ごろの離乳食について調べると、本などには「手づかみ食べ」をたくさんさせましょう」と書かれています。手づかみ食べはその名の通り、自分で食べ物をつかんで食べること。この時期に食べ物を見て、触って、温度や感触を感じて、適切な力でつかんで口に持っていく、目と手の協調運動の経験を積み上げることが大切と言われています。
手づかみ食べをすると、手先は器用になりますし、例えば豆腐と大根などのかたさの違う食べ物をつまむ力の加減を学ぶことができます。また、手づかみ食べをしっかりした子は、スプーンへの移行がとてもスムーズです。
とは言え、手づかみ食べを毎日の離乳食に取り入れるのはなかなか勇気のいること。なぜなら、手づかみ食べをすると赤ちゃんと赤ちゃんの周りが食べ物でグチャグチャになることがあるからです。そこで、後片づけがラクになる4つの方法を教えます。
1. メニューを見直してみる
「自分で食べたい」と思って離乳食に手を伸ばした赤ちゃん。触ってみると今まで経験したことのない感触でビックリ! もっと確認したい!という思いから、離乳食をグチャグチャと真剣に触り始めます。このとき、グチャグチャと触っているときの赤ちゃんの表情を見てください。すごく集中しているはずです。ただ、このグチャグチャはママにとって後片付けが大変になってしまうこともあります。
そこで、手づかみ食べに用意するメニューを見直してみましょう。おにぎりや蒸したいも・かぼちゃ、焼いた魚・肉・おやきなど、水分の少ない汚れにくい手づかみメニューを用意します。そうすることで、手づかみでグチャグチャになる汚れを軽減することができます。とはいえ、9~11カ月ごろ(離乳食後期)の食べ物のかたさの目安はバナナくらい。まだ、手指の細かい動きや力の調節ができない赤ちゃんですので、強くつかむとグチャグチャになるのは当たり前。「このメニューは汚してもいいよ!」と見守る気持ちも大切です。
2. 食べさせ方を工夫してみる
次に、食べさせ方を工夫してみましょう。メニューすべてを赤ちゃんの手の届くところに置くと、赤ちゃんのいろいろ確認したい気持ちが高まります。ですので、まずは赤ちゃんの手の届くところには手づかみメニューだけを準備しましょう。
例えば、おかゆ、汁物、野菜の煮物、焼き鮭のメニューだったら、赤ちゃんには焼き鮭を目の前に置き、手づかみで食べるのは焼き鮭に限定します。そして、おかゆや汁物、煮物などの水分の多いメニューはママが食べさせましょう。もし、焼き鮭がなくなったら、汁物、煮物も具材だけを別皿においてあげると、手づかみで食べやすくなります。
3. 便利な離乳食グッズを使ってみる
便利な離乳食グッズを使ってみましょう。例えば、袖つきのエプロンを使うと、服が汚れにくくなります。ポケット付きのエプロンにすると、食べこぼしをキャッチしてくれます。プラスティック製のポケット付きエプロンは、食べこぼしのキャッチ力が優秀ですので、お家に1つあるとかなり重宝します。外出時は持ち運びやすい紙エプロンが重宝します。
また、手づかみ食べをするときに手が器に当たってひっくり返すことがあります。それを防止するためには、器の裏に滑り止めがついているものを選んだり、シリコン製のシートをテーブルと器の間に敷くといいでしょう。
4. 食べる環境を整えてみる
食事時の環境を整えてみましょう。例えば、赤ちゃんの椅子の下にレジャーシートを敷いてみましょう。そうすると食べこぼしてもレジャーシートを洗うだけでOK! 下に敷くのを新聞紙にすれば新聞紙を捨てるだけでOKです。
また、テーブルや椅子も汚れるので、丸洗いできる素材のものを使うと汚れてもスッキリきれいになります。また、食器をひっくり返したりすることもありますので、サッと拭けるように大きめの台拭きをそばに置きます。また、食べたあとに着替える服を準備して置いたり、すぐにシャワーができるようにしてもいいですね。
1日3回の食事すべてを手づかみ食べさせなくてもOK。まずは、ママが一番余裕のある時間帯の食事、1日1回からスタートしてみましょう。「きれいに食べてくれるようになるのはいつかしら」と感じてしまうこともあるかと思いますが、食べ物への興味関心が育っている時期です。「楽しく食べる」ことを大切にしながら取り組んでみてくださいね。
イラスト/sawawa