「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は突発性発疹に関するご相談です。
Q.突発性発疹と診断されました。
1歳3カ月の子どもが夜から発熱があり、翌日に医者に行ったら風邪と診断されました。3日後には熱は下がったのですが発疹が出始め、再び医者に行ったら突発性発疹と診断されました。自然に治るのを待つしかないと言われたのですが、もう発熱はしていないのにお風呂上がりのように汗をびっしょりとかいて寝ています。また、手足が冷えてとても不機嫌でぐずぐずしていて泣いてばかりいることも心配です。
高杉絵理助産師からの回答
お子さんが突発性発疹だったのですね。高熱も出てご心配になられましたね。病み上がりでお子さん的にもきつさはあるかもしれませんが、こうやって免疫がついてきて体が強くなっていきます。とはいえ、母としては発熱や体調を崩しているわが子の様子は心配で不安になりますよね。
お子さんが少しでも気持ちよく過ごせるように寝起きにお着替えをさせてあげたり、体を拭いてあげるといいかもしれませんね。季節的にも少し涼しくなってきましたし、汗もかくと冷えやすくなるのでお洋服やお部屋の環境で調整してあげてくださいね。そして、少しずつお食事の量も元通りになり、またいつも通り元気になればいいなと思います。
突発性発疹は解熱後、発疹が出始めているころのほうが機嫌が悪いことが多いようです。突発性発疹は重症化することは少ないですし、今のご様子でしたら2〜5日で湿疹が自然に消失して元気になっていくと思いますので、それまではお子さんをたっぷり甘えさせてあげてお子さん中心にしてあげてくださいね。
早く良くなるといいですね。ママも看病疲れしてしまわないようにパパやご家族のサポートを受けてくださいね。
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
突発性発疹とは
私たちの体は外敵から守るために免疫機能がはたらくと、その反応として発熱が起こります。新生児は母体から受け取った免疫を持っているため、生後6カ月ごろまでは細菌やウイルスに感染しにくいとされています。
しかし、生後6カ月ごろになると母体からもらった抗体が少なくなっていき、細菌やウイルスに感染しやすくなります。そのため、生後6カ月以降に初めての発熱を経験する赤ちゃんが多く見られるのです。そして、初めての発熱の原因として多いのが突発性発疹です。
突発性発疹は38~39℃の比較的高い熱が突然出ます。しかし、体調が悪いときの不機嫌や哺乳不良などは少なく、比較的機嫌よく過ごすことが多いとされています。
発熱は2~3日程度続き、熱が下がってから顔や胸、おなかなどに花びらを散らせたような形の赤い発疹が広がるのが特徴です。花びらの形は、隣り合った発疹が繋がることで形成されます。また、発疹が現れる直前に永山斑と呼ばれる赤い斑点が喉の奥にできることがありますが、判別が難しいため確定診断には至らないことが多いようです。
ほとんどの突発性発疹は、熱が下がり、発疹が現れたことを確認して診断されます。
発疹は2~3日程度で消えます。そのほかに下痢やリンパ節の腫れ、眉間から頭頂部の付近にかけてある大泉門の腫れなどの症状が現れることがあります。
高熱が出るため、熱性けいれんを起こす可能性もあります。また、まれにではありますが次のような合併症を起こすことがあります。
・脳炎・脳症(痙攣、意識の低下、脳の全体的な機能の低下)
・劇症肝炎(炎症が非常に強いことで肝臓の機能が著しく低下する)
・血小板減少性紫斑病(血小板が減少することで出血しやすくなる)
20分以上のけいれんや、意識の混濁・喪失、白目が黄色くなる、内出血が多くみられるなどの症状が現れた場合は合併症が疑われるので、すぐに病院を受診しましょう。また、嘔吐をくり返したり呼吸が苦しそうであったりする場合も、すぐに受診したほうが良いでしょう。
突発性発疹の治療方法と対処法
突発性発疹に特効薬はありません。自然に治る病気ですから、症状の軽減を目的とした対症療法をおこないながら経過観察します。
感染しても発症しない乳幼児がいるため、突発性発疹を完全に予防する方法はありません。発症したときには一般的な発熱と同じ方法で対処しましょう。できるだけ安静にして、十分に睡眠をとれるよう環境を整えてください。睡眠不足などで体力が落ちると、免疫力が低下する恐れがあります。
また、こまめに水分補給をさせることも大切です。下痢をしている場合は水分と共に電解質も失われるので、医師に指示により経口補水液(脱水症状のある人のための飲料)を飲ませることがあります。
突発性発疹の発熱で体調が悪いように感じる場合は解熱剤を使っても良いとされていますが、時間が経つと再び発熱するため、解熱剤は熱によるつらさを軽減するのが主な目的です。
体温の急激な上昇に伴って寒気に襲われ、手足が冷たくなったり唇の色が悪くなったりするなどの症状が現れることがあります。このような場合は、普段よりも一枚多く服を着せたり、布団をかけたりしましょう。
熱が上がりきって暑がるような素振りを見せた場合は、服や寝具を一枚減らして熱を放散させてください。元気であれば、ぬるめの湯に入浴してもOKです。湯冷めをしないように、入浴後はしっかりと体を拭いて服を着せてあげましょう。
もし、2~3日経過しても熱が下がらず発疹も見られないような場合は、ほかの感染症の可能性もありますので、受診してください。
※参考:基礎知識(ベビー)「突発性発疹の原因、症状、対処法について」【監修者:医師 松井 潔 先生 小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
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