赤ちゃんがいる家庭では、定期的な換気が必要です。空気清浄機の購入を検討されている方もいるかもしれません。今回は、赤ちゃんとの生活に必要な換気についてのお話です。
赤ちゃんの生活では換気が大事!
みなさんの住んでいる、家やマンションなどの住宅の多くは、「気密性」が高くて、汚れた空気が部屋の外に出にくいといわれています。このような住宅が締め切った状態では、十分な換気ができず、ハウスダストなどで汚れた空気が部屋の中にどんどんたまっていきます。
ハウスダストとは、室内のチリやホコリのことです。衣類やシーツなどの綿や毛布のくずや、人の毛、フケ、そしてダニの死骸や糞、カビ、細菌などが含まれます。ダニやハウスダストは、喘息やアトピーといったアレルギー疾患の原因になることもあります。
ハウスダストなどは床にたまりやすく、赤ちゃんは床に近いところで寝たり、はいはいしたりして生活しているので影響を受けやすいです。これらの汚染物質を部屋の外に出し、薄めるためには換気がとても大切です。換気の効果は、部屋の大きさや構造上の風の通りやすさなども影響しますが、1時間に1回10分程度、窓をあけて換気するようにしましょう。
空気清浄機があるといい場合
窓をあけて、風通しがいいお部屋であれば定期的な換気で問題ないかと思います。反対に、以下の場合は空気清浄機をおすすめします。
・機密性が高く、窓が少なく小さいお部屋
・寒い地域で外気温が低く換気をすると室温が低くなりやすい
・騒音などで窓を開けての定期的な換気が難しい場合
また、空気清浄機は、PM2.5などの環境因子や花粉なども除去してくれるタイプもあります。PM2.5は、微小粒子状物質と呼ばれるものです。
環境庁のページによれば、PM2.5は「大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のこと」で、非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されます。家族の中で花粉症や喘息などの呼吸器疾患の人がいる場合、換気するだけでは除去が不十分のため空気清浄機の利用をおすすめします。
赤ちゃんがいるお家へおすすめな空気清浄機のタイプ
【1】短時間で綺麗にしたいなら適用床面積の大きなものを
適用床面積(適用畳数)とは、30分で綺麗にできる部屋の広さのことです。短時間で綺麗にしたい場合には、実際に使用する部屋より表示面積の大きなものを選ぶのがおすすめです。一方、使用する部屋が適用床面積より広い場合は、部屋全体が綺麗になるまでに時間がかかってしまいます。
【2】下から空気を吸引するタイプ
空気を吸引する場所は製品によって異なります。床上の汚れが気になる赤ちゃんのいるご家庭におすすめなのが、空気を下から吸いこむタイプです。上部や背面に吸引口があるものは床上の空気の吸い込みが弱いため、前面下部から吸い込むタイプをチェックしましょう。
【3】音が静かなもの
赤ちゃんの眠りを妨げないように音が静かなものを選ぶといいでしょう。
【4】ライト機能がオフできるもの
寝室などで空気清浄機を使用する場合には、表示ランプの明るさにも注目です。製品には、部屋の明るさに合わせて表示ランプが消灯できる機能を搭載したものもあるため、購入前にチェックしてみましょう。
【5】掃除がしやすいもの
フィルターの掃除がしやすいものや、セルフクリーニング機能などがついて清潔が保てるものもおすすめです。
【6】安全設計のものやチャイルドロック機能があるもの
赤ちゃんの手が入らないような安全設計かどうか、チャイルドロック機能があるかも確認しましょう。ハイハイやつかまり立ちができるようになると、さまざまなスイッチを押して遊ぶようになることもあります。いたずら予防のためにもロックがかかるかなどもチェックしましょう。
赤ちゃんがいるお部屋でおすすめの置き場所
赤ちゃんとの生活で空気清浄機を効果的に使用するため、置く場所を考える際には次のことに気を付けましょう。
・吸引口などをふさがないよう壁やカーテンとの距離に注意
・温度の変化が大きいため窓際は避ける
・床上の汚れが吸引できるよう床に置く
・エアコンの風の影響を直接受けない場所に置く
赤ちゃんが過ごすお部屋は、定期的な換気をすることが基本で、空気清浄機が必須なわけではありません。今回のお話を参考に、お部屋の構造や生活スタイルによって必要かどうかご家庭で検討してみてくださいね。
<参考>
佐野靖之著「スーパー図解 ぜんそく:最新治療と健やかな毎日の知識」(法研)