こんにちは、保育士の中田馨です。前回は「お着替え編」でしたが、今回は「トイレ編」をテーマにお話しします。前回お話ししたように子どもの「自分でしたい!」は自立への第一歩です。ママは子どもの気持ちにできる限り寄り添い「自分でできたぞ! やったー!」という経験や気持ちをたくさん積ませてあげてください。
「おしっこ出た」を認めるところからスタート
おしっこの間隔が空いてきて、タイミングが合えばトイレでおしっこも出るようになってきたので、そろそろ下着にしてみようとチャレンジ。でも「おしっこ~!」と子どもが言うので見てみると、すでにおしっこをしてしまっている…。ママにとっては「する前に教えてよ」と言いたいところですが、最初はそれでOKです。
まずは、「おしっこ、教えてくれてありがとう」と認め、シャワーをして新しい下着に履き替えましょう。「スッキリしたね!」と気持ちよさを味合わせてあげてください。
自分の言動をママに認めてもらうことで、子どもは「これでいいんだ」と自信を持てるようになり、新たなことにチャレンジする意欲につながります。子どもが気分よくトイレに行くためにも、おしっこを下着にしてしまっても叱らないでください。
トイレに行きたいときはできる限り連れていく
トイレが好きすぎて、30分おきに「おしっこ」と言って頻繁にトイレに行きたがる子がいます。トイレに行っても出ないことが多く、そのたびに「また?」と思いますが、できる限りで構いませんので、なるべく子どもの気持ちに寄り添ってトイレに連れて行くようにしましょう。機嫌よくトイレに座っている子どもに「トイレに座れたね」など声かけをすることで、トイレに座った楽しさや自信を身につけていきます。
私たち大人は「もう!」「また?」という言葉をついつい使いがちですが、逆の立場になって考えてみてください。おいしいお菓子に手を伸ばした瞬間に「もう! またお菓子食べるの?」と言われたら何だかショックですよね。子ども「もう! またトイレに行くの?」と言われるといい気分ではないと思います。
トイレに座りたくないときは一時休憩
あれだけ「トイレに行きたい行きたい!」と言っていた子どもなのに、ある日突然「トイレには行きたくない!」とボイコット。今までできていたことをしてくれなくなると、なんだか成長が停滞(後退)している感じがして、ママは不安になるものです。
しかし、子どもは凸凹しながら成長していきます。これまで張り切ってしていたことも、したくなくなるときもあるのです。だから心配しなくても大丈夫です。「子どもがトイレに行きたくない」と駄々をこねたときに「もうお兄ちゃんでしょ!」と言ったり、「Aちゃんはじょうずにしているよ」と他の子と比べたりするのは、子どもにプレッシャーを与え心が傷つきますのでやめましょう。
トイレに行く、行かないで子どもとバトルになるくらいなら、「トイレに行きたくないんだね」と子どもの気持ちを受け止めてトイトレを一時休憩しましょう。紙おむつに変えてもOKです。紙おむつの中で安心して排泄する経験をしたら、機嫌のいいときに「トイレに行こうか」と誘ってみてください。
トイレに行く時間の目安を設定してサポートする
保育所のママたちから「お家では“おしっこ”って言ってくれないんです」とよく相談されます。私たちの答えとしては「保育所でも言ってくれませんよ。私たちが時間を見て連れて行っています」です。自分で「おしっこ!」と言ってトイレに行くのは、個人差がありますが、3歳になってからと思ってください。
トイレに行く時間の目安はママが設定します。生活の節目節目が行きやすいでしょう。
例えば保育所だったら、外遊びの前後、食事後、お昼寝後などに誘います。それ以外にも、子どもがモゾモゾしたしぐさをするときにも「おしっこかな?」と聞いて誘います。自分で「おしっこ!」と言ってトイレに行けるようになるまでの間、ママが時間を見ながら「トイレに行こうね」とサポートすることが基本になります。
トイレでおしっこできたらママは喜びますが、下着にしたときは困った顔をしがちです。できたときと同じように、下着にしたときも「おしっこ出たね。すっきりしたね」と言うことで、子どもはトイレにマイナスのイメージを持たずに過ごせます。