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知っておくだけで不安解消!助産師が教える陣痛の痛みと出産までのキホン

助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、陣痛から出産までの流れについてお話しています。陣痛の段階を4つに分けてわかりやすく解説!

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師榎本美紀
国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー

2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。
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陣痛中の女性のイメージ

 

陣痛については、出産を経験したママからいろいろな体験談を聞いて、不安や恐怖を感じることもあるかと思います。陣痛について知ると出産に前向きに取り組めるといわれています。今回は、陣痛がきてから出産までの流れについてお話しをしましょう。

 

陣痛って何?

陣痛とは、赤ちゃんを子宮から押し出すために子宮を強く収縮する時に痛みが伴うことで起こります。陣痛は持続するものではなく、収縮と弛緩を交互に繰り返すものです。
陣痛は、10分毎か1時間に6回以上の痛みを伴う子宮収縮が規則的に見られたら、そこを分娩開始時間とします。10分以上の間隔や不規則である場合は、前駆陣痛と呼ばれています。また、陣痛が弱くなって間隔が10分以上に伸びてしまうこともあり、分娩開始時間を取り直すこともあります。

 

陣痛は、下腹痛だけでなく腰痛を強く感じる方も多いようです。陣痛を逃す方法としては、使い捨てカイロや温タオルなどで温める、下腹部をさするようにマッサージする、腰をマッサージしてもらうなどがいいかと思います。

 

分娩は分娩第1〜4期の4つのステージに分かれています。では、その順番にご説明していきます。
 

分娩第1期

分娩第1期は、痛みを伴う子宮収縮が10分毎か、1時間に6回以上、規則的にくるようになった時間を分娩開始時間としてカウントしていきます。陣痛の間隔が10分程度のときは、合間に食事がとれたり、歩いたり、お話ができたりと少し余裕があります。

 

陣痛は徐々に強くなっていき、間隔も短くなってきます。赤ちゃんの頭が下がってくると、腰や尾骨などおしりのほうが痛くなってきます。赤ちゃんの出口の子宮口が5cm以上に開いてくると、お産は急にスピードを上げて陣痛の間隔が狭まってきます。子宮口が10cm近く開いてくると陣痛間隔は1〜2分毎になり、陣痛が続く時間(発作時間)も30秒程度に長くなってきます。

 

分娩第1期は、子宮口が10cm開く、子宮口全開大といわれるところまでを言います。痛みが強くなると、間欠期(陣痛のお休み時間)が少なくなり、本人も辛くなってきます。呼吸を止めないようにして、ゆっくり深呼吸をしながら、赤ちゃんに酸素を送ってあげるように意識していきましょう。赤ちゃんの頭が降りてくると、陣痛時に排便をしたいような圧迫(肛門圧迫感)やいきみたい感じ(怒責感)が出てきます。

 

肛門付近を、人の握り拳などで圧迫してもらったり、硬式テニスボールを肛門あたりに当てて上から座って圧迫したりすると、赤ちゃんの圧迫が少し軽減されてラクになることがあります。

いきみたい感じが出てきても、子宮口が10cm開く(子宮口全開大)になるまでは、上記のような圧迫をしながら逃していきましょう。子宮口が全開大する前にいきむと、準備ができていないので子宮の出口が切れてしまったり、赤ちゃんに負担がかかったりすることもあります。
 

分娩第1期は、4期の中で1番長く、初産婦で10〜12時間、経産婦で6〜8時間といわれていますが、個人差はあります。

 

分娩第2期

子宮口が10cm開いて(子宮口全開大)、赤ちゃんが産まれるまでの期間のことをいいます。陣痛間隔は1分程度で持続する時間は30秒程度ですが、陣痛のない時間でも痛みの余韻が残ることもあります。
 

赤ちゃんの頭が下がってくると、自然にいきみたい感じ(怒責感)が出てくるので、助産師とタイミングを合わせながらいきんでいきましょう。赤ちゃんの頭の位置がまだ高いなど状況によってはいきみを逃すようにいわれることがあります。

出産時は、必要時会陰切開をすることがあります。切開時には、局所麻酔をすることもあります。分娩第2期でかかる時間は、初産で2時間、経産婦で30分といわれています。
 

いよいよ赤ちゃんとご対面です。

 

分娩第3期・第4期

赤ちゃんが産まれてから、胎盤が出るまでの期間のことを分娩第3期といいます。出産後、へその緒を切って、痛みを伴う子宮収縮である後陣痛がきて、子宮の内側から剥がれて胎盤が出てきます。この後陣痛は、出産時の陣痛に比べるとそれほど強いものではありません。
 

胎盤の一部や赤ちゃんを包んでいた膜が子宮内に残っていると、子宮の収縮が弱くなって出血量が増えてしまうことがあります。そのため、助産師は慎重にへその緒を牽引しながらゆっくり出し、子宮内に残っていないか精査します。時間は初産婦さんで30分以内、経産婦さんで15分程度になります。
 

分娩第4期は、胎盤が出た後に出血しやすい状況で急変しやすい時期なので安静で過します。この2時間を分娩第4期とよんでいます。

 


陣痛は、赤ちゃんが産まれるために必要な、子宮の収縮に伴う痛みです。恐怖心や不安は痛みを増強させてしまうといわれています。陣痛は赤ちゃんへもストレスがかかっていて、辛いのはママだけではないと思います。
前向きに陣痛を受け入れて、赤ちゃんと会える瞬間を想像して赤ちゃんを感じながら一緒に乗り越えてみましょう。

 

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