いるだけ夫と後追い娘
娘が2歳手前のころ、私への後追いが激しくなっていました。それでも普段は「今だけだから仕方ないか」とあきらめて、無理に突き放したりせずできるだけ相手をしていました。娘の後追いは母である私限定。夫がいてもそちらには行かず、ずっと私を追い求めてきます。
そんな娘に夫はどうしたらいいのかわからなかったのでしょう。夫が抱っこしても激しく泣くだけなので、私を求めて泣く娘の横で、夫は何もせずにテレビを見たりスマホをいじったり、他の部屋に行ってしまうこともありました。
いつもは怒らないことで娘に怒鳴る私
ある日、泣いて私を求める娘に対して「もう!! うるさい! ちょっと待っててって言ってるでしょ!」と怒鳴ってしまったことがありました。娘は大泣きで、夫が慌ててやってきて娘を抱き上げました。普段なら怒らないのに、なぜかこのときは我慢ができなかった私。
これ以来堰を切ったように、私はときどきプチンときれて後追いする娘を怒鳴ってしまうことが増えました。そのたびに夫が「あっちで遊ぼう!」と申し訳なさそうな顔で娘を連れて行くまでがセットになってしまいました。
夫にぶつけられないイライラが娘に
あるときに「私が娘にイライラをぶつけてしまうのは夫がいる休日だけ」だと気づきました。平日はひとりで娘を見ているのに、怒鳴ったことは一度もありません。つまり、私は何もしてくれない夫へのイライラを本人にぶつけられない代わりに娘にぶつけていたのです。
これに気づいたとき、娘に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいに。「本当に未熟な母でごめん……」と娘に謝りました。そしてそこからは、イライラはきちんと夫に伝え、「お皿洗って」、「娘を見てて」など具体的にお願いするようにしました。夫に直接伝えるようになってからは娘を怒鳴ることなく、イライラもだいぶ減りました。
私は我関せずを決め込む夫にずっとイライラしていたと思います。しかし娘のほうに気を取られてそのイライラを自分の中に押し込め、結果的に夫ではなく、立場の弱い娘にそれをぶつけてしまっていました。これを教訓に、弱い立場の娘に理不尽に怒らないように気をつけようと思う毎日です。
イラストレーター/ムチコ
著者:水田 真理
アレルギー持ちな娘の母で元理科の塾講師。子育てはできるだけ家にあるもので、娘と楽しめるように日々創意工夫を実践。