行政(国、都道府県、市区町村)は、さまざまな助成制度を実施していますが、新しくできた制度や期間限定のものなどあまり浸透していないものもあります。今回は、有名でないものや出産・育児以外の行政からの助成制度についてお伝えします。
高額な費用が掛かるものは助成制度があるかを確認
すべての分野で助成があるわけではありませんが、行政が助成を出す基本的な考えとして、住民の役に立つモノやサービスに対して、高額なものであったり、普及をさせたいものであったりする場合に助成制度を実施します。
例えば、健康保険が適用されない分娩費用に出産育児一時金、環境に配慮したエコカーを普及させるためのエコカー減税などはその最たる例です。また、自治体(都道府県・市区町村)独自の制度もありますので、お住まいの自治体やお引越しを検討している場合には、「自治体名」と「助成」(例:〇〇市 助成)で検索してみるといいでしょう。
住居に関する主な助成制度
住宅ローン残高の1%を減税する住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は利用している人も多いと思いますが、その他にも住居に関わる助成制度があります。すべての方に適用されるものではありませんが、2つほど住居に関する助成制度をお伝えします。
すまい給付金
消費税増税に伴う住宅購入費用の負担を抑えるためにできた制度です。2021年12月までの実施予定で、住宅を購入した方に最大50万円の給付金が支給されます。主な要件としては、以下の5点です。
【1】購入者が住む家であること
【2】住宅ローンを利用すること(50歳以上かつ年収650万円以下であればローン未利用も可能です)
【3】年収775万円以下(配偶者が無収入、中学生以下の子ども2人の場合。年収基準は家族構成によって異なります)
【4】床面積が50m2以上であること
【5】品質が担保された住宅であること
ファミリー世帯向け家賃助成
一部の自治体で行っている制度で、自治体によっても名称が異なります。また、特優賃(特定優良賃貸制度)に力を入れている自治体もあります。豊島区の子育てファミリー世帯家賃助成制度を例に挙げますと、一定の要件を満たす子育てファミリー世帯に対し、転居・転入後の家賃と基準家賃との差額の一部を一定期間助成する制度です。家賃や所得、扶養人数にもよりますが、最大月額25,000円の助成が受けられます。
その他の助成制度
助成制度は住宅購入・賃貸以外にもいくつもありますが、こちらでは生活に関する助成を3つほどお伝えします。
生ごみ処理機等の購入助成
自治体ごとに対象となる器材や助成額が異なりますが、購入費用の2分の1~4分の3、上限額が2~5万円であることが多いです。また、2020年度は新型コロナウイルスの影響で在宅の機会も多いことから、利用者が多く、予算上限に達して受付が終了している自治体もあります。すでに受付が終了している自治体は4月から再開するケースもありますので、気になる方は、4月以降にホームページや広報紙等を確認しましょう。
住宅用太陽光発電設置の助成
国からの補助は2021年1月時点ではありませんが、自治体独自に太陽光発電の助成を行っているところがあります。場合によっては、都道府県と市区町村の両方から助成を受け取ることができるところもあります。一例を挙げますと、東京都の「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」では、要件を満たした太陽光発電システムを設置した場合、一戸建ての場合最大70万円の助成金が受けられます。こちらも予算上限で受付が終了する場合もありますので、利用を検討する場合は、利用状況を確認しましょう。
緑化・生垣設置の助成
屋上や壁面を緑化したり、生垣を設置したりする場合、自治体から助成が受けることができる場合があります。名古屋市を例にしますと、すでに2020年度の受付は終了していますが、屋上緑化や壁面緑化の場合は、1㎡あたり7500円を上限(工事費の2分の1)の助成が受けられます。以前から緑化・生垣の助成制度はありますので、こちらも検討される方は、工事前に制度の内容を確認するといいでしょう。
上記でお伝えした助成制度はいろいろある助成制度の一部です。また、実施している自治体もあれば、実施していない自治体もあります。何でもかんでも助成があるわけではありませんが、高額な費用が掛かるものは、まず助成制度があるか確認してみましょう。