こんにちは、保育士の中田馨です。乳幼児の水分補給には、湯冷ましや麦茶・ほうじ茶などを飲む機会があるのではないかと思います。離乳食の講座をしていると、よく聞かれるのが「水道の水やミネラルウォーターは、いつから飲ませても大丈夫ですか?」という質問です。
今回は、乳幼児が水道水やミネラルウォーターをいつから飲むことができるのか? また、乳幼児の水分補給におすすめな飲み物を紹介します。
水道水はいつから飲める?
水道の水をそのまま飲ませるのは1歳ころからが安心です。それまでは「湯冷まし」にして飲ませましょう。子どもを産むと「湯冷まし」と言う言葉を聞く機会が多くなると思いますが、具体的に作り方までは教えてもらうことはありませんよね。
【湯冷ましの作り方】
1.鍋やヤカンに水を入れ沸騰させる
2.沸騰したら蓋を取って、弱火で10分沸かし続ける
3.火を止めて、ひと肌(36℃前後)まで冷ます
一度沸騰させることで、水を殺菌して、水道水に含まれる塩素を抜くことができます。塩素を抜いた湯冷ましは、雑菌が繁殖しやすいので飲ませるたびに作るのが安全。もし、残った場合は、大人が飲むかそれでも余る場合は処分するようにしましょう。
また、弱火で10分沸かし続けるときは、火を止め忘れることもあります。私はうっかり者なのでよくするんです! タイマーをかけておくと、そのうっかりを防ぐことができますよ。
ミネラルウォーターはいつから飲める?
ミネラルウォーターをそのまま飲めるようになるのは1歳以降。でも、1歳をすぎてもおすすめはしません。その理由は、ミネラルがあるから。大人にとっては良いとされているミネラルですが、赤ちゃんにとってはミネラルが多すぎると内臓に負担がかかることがあります。
飲ませるのであればミネラルが少ない「軟水」を選びます。硬度120以下が軟水の目安です。海外のミネラルウォーターは硬水のものも多いので、日本のものを選ぶようにしましょう。
ペットボトルの場合、一度開封したミネラルウォーターは日持ちがしませんので、冷蔵庫に入れたとしても翌日飲むのはNGです。また、初めてミネラルウォーターを与えるときは、少量からスタートして赤ちゃんの体調面の様子を見守ってあげましょう。
湯冷ましなど水分の取り方
離乳食が始まる前の赤ちゃんは、母乳や育児用ミルクを飲んでいますので、基本的に湯冷ましなどの水分補給は必要ないとされています。湯冷ましを取り入れるとすれば、離乳食がスタートしてからでも遅くはありません。
赤ちゃんに湯冷ましを取り入れるときは、冷えすぎたものを与えるのではなく、少し温かみが残る「ひと肌」程度の温度が理想的。あまり飲みすぎると、湯冷ましだけでおなかがいっぱいになって、母乳や離乳食を食べなくなることもあるので、1回につき10~30ml程度を目安にして与えてみましょう。
湯冷ましを飲み慣れていない子は、飲み慣れるまではのどに引っかかりやすいです。例えば哺乳びんで与える場合は、赤ちゃんは育児用ミルクがお口の中にやってくるつもりで飲んでいるはず。それが、ミルクではなく湯冷ましだと初めての味や食感にビックリしてのどに引っ掛け、ケホケホと咳き込む子がほとんどです。
赤ちゃんが飲むときの体の傾きや、哺乳びんの傾き加減を調整しつつ、ゆっくり少量ずつ飲ませるように心がけてください。
乳幼児が水分補給するときにおすすめな飲み物
乳幼児が水分補給をするときに、大切な視点としては、カロリーや甘みのないものを選ぶことです。その視点から、湯冷ましはOKです。麦茶は生後1カ月ごろを目安に飲ませることができます。ベビー用に販売されている麦茶は、苦味が抑えられているので飲みやすいです。大人用でももちろん構いませんが、飲ませる場合は2~3倍の量の湯冷ましで薄めてから与えましょう。
お茶でも、ほうじ茶や番茶にはカフェインが少し含まれているので生後8~9カ月ごろを目安にスタート。ウーロン茶やブレンド茶はカフェインが多めなので、1歳を過ぎても△な飲み物です。
カフェインは多く摂取することで、めまいや動悸、下痢、嘔吐などの症状が出ることがありますので、乳幼児の摂取には十分に気をつけてあげてください。それぞれの飲み物の特徴を知ることで、赤ちゃんにとって何を選べばよいかが、判断できるのではないかと思います。参考にしてみてくださいね。