こんにちは、保育士の中田馨です。コロナ禍の中、皆さんご家庭でさまざまな感染症対策をしていることだと思います。前回は【お部屋編】をお話しましたが、今回は【食事/睡眠/お外編】を紹介します。家庭でも取り入れてみてくださいね!
食事時の感染症対策
食事中に話をすると、唾液などの分泌物が飛びやすいもの。とはいえ「食事中に黙って食べなさい」と子どもたちに注意するのは切ないことですし、特に乳幼児に「黙って食べなさい」なんてことはできません。
保育園では座る位置の間隔をあけたり、正面に座らせないようにしています。保育士はマスクを着用します。子どもの食事をサポートしているときに気を付けることは、先にもお話したように食事中は唾液などの分泌物が飛びやすいため、それが大人の手につき、その手で目や口・鼻を触らないようにすること。それだけでも感染症対策になります。子どもの食事の後は、まず子どもと一緒に手を洗うと思いますが、さらに食器やテーブル周りの片付けが終わってから、手洗いをもう一度するようにするとより安心です。
睡眠時の感染症対策
保育園では年齢によって、1日1~2回のお昼寝の時間があります。その際に、子どもの顔と顔が近くにならないようにしています。また、布団やタオルケットなどの共用はしない。シーツやタオルケットを定期的に、もしくは鼻水や唾液が付いた場合はその都度洗濯するなど、新型コロナウイルスに関わらずこれまで通りのことをしています。
また、寝ているときの健康チェックをすることで、子どもの体調を見守っています。あお向けで寝かせ、呼吸をリズムよく行っているか、胸の動きはあるか、顔色はいいかなどをチェックします。子どもの様子をチェックしやすいように薄明るい部屋で寝かしています。
電気は消しますが、晴れた日はレースのカーテンでうっすら陽の光が入るようにします。曇りや雨の日はレースのカーテンはせず、窓の光を入れるようにします。家庭では、兄弟が一緒に寝ているときに、枕は個別のものを使うなどしてもいいですね。
お外遊びの感染症対策
乳児も幼児もお外遊びに行く場合は、なるべく人込みにはいかないようにすることが大切です。その上で、それぞれに気を付けている事をお話しします。
乳児の場合
ベビーカーを使っての移動も多いと思います。ベビーカーを使う際は、アルコールなどでベビーカーの消毒を定期的にしていると安心です。特に子どもが触る手すり、椅子、ベルト、背もたれ、付けているおもちゃなどを消毒しましょう。また、公園や児童館などに行く場合は、子ども同士が密着しすぎないように見守ります。とはいえ、子ども同士が触れ合うことはとても大切ですので、周りの大人がさりげなく見守りながら交流を図るようにしましょう。また、子どもがおもちゃなどをなめないかなどを見守りましょう。
幼児の場合
公園などでは、子ども同士が一定の距離感で遊べるように工夫しています。遊具で遊ぶときは必ず保育士がそばにつき「順番ね」と声かけするだけでも子ども同士の距離感は保てます。
また、すでに多くのお子さんが遊んでいる中に、保育園の子どもたちが大勢やってくると不安に感じる方もいると思いますので、少し早めの時間に出発したり、遊んでいる親子が少ない公園で遊ぶなどの配慮もしています。
よく聞かれるのは「遊具は消毒した方がいいのですか?」と言う質問。こちらは、全国保育園保健師看護師連絡会の『保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック 第2版(2020.10)』によると「遊具を消毒する事の効果は限定されていることから行う必要はありません」とのことです。
今の季節は、外でマスクをしていてもそれほど苦しさを感じませんが、これから暑くなってくると外でのマスクは苦しくなってきます。マスク着用はそのときの体調、状況、気候に合わせて判断しましょう。なお、2歳未満の子どもには窒息のおそれがあるため、使用しないよう日本小児科医会が呼びかけています。
日々の感染症対策を考えていると不安になることもあると思います。小さいお子さんをお持ちだと、特にそれがストレスになることもあります。先日、私も保育の研修で「先生たち、この1年ものすごく頑張ってきたね」と講師の先生に声をかけられ涙が出ました。
日々の緊張感の中、知らず知らずに溜まっていたストレスがあったことに気づいた瞬間でした。ママたちも、家族や友人とのコミュニケーションをとり、好きな食べ物を食べ、好きな俳優さんのドラマや映画を見て、好きな音楽を聴いて、好きな本を読んで、よく寝て。心を満たすようにしてくださいね。
<参考>
全国保育園保健師看護師連絡会の『保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック 第2版(2020.10)』