産後は、ホルモンの変化や育児疲れ、睡眠不足のために、性生活がなくなってしまう夫婦もいます。性生活のない時期が続くと、どうやって性生活を再開したらいいかわからなくなったという話も多く聞かれます。
今回は、産後の性生活の再開についてお話ししていきましょう。
産後に性生活がなくなる原因は?
授乳中に出るオキシトシは母乳の分泌を促す効果がありますが、同時に性欲が減退しやすいと言われています。オキシトシは幸せホルモンと言われていて、授乳することで赤ちゃんとのつながりを一層に強く感じ性欲も満たされるからとも言われています。
これは授乳期間中続きますが、授乳回数が減り、夜間の睡眠が取れるようになると性欲が回復してくることもあるようです。また、母乳育児をしていなくても、性生活をしなくなることもあります。
その他の女性側の原因としては、
1.育児疲れや夜間の授乳や夜泣きによる寝不足
2.育児に参加してくれないなど夫への不満
3.産後の体の変化(会陰部の傷などで挿入時に痛みが出るか心配)
4.育児が心身ともに大変で余裕がなくなり性生活をする気になれない
男性側の原因としては
1.出産後、妻が赤ちゃんのお世話が大変で余裕がなくなり、機嫌が悪いこともあり、自分に対しての愛情が減った感じがしてしまう
2.添い寝している赤ちゃんが気になって集中できずに、性生活ができない
3.妻の体調を気づかい、疲れていそうで誘いづらい
4.産後に一度でも断られた経験があると再度誘いづらい
5.女性というより、「母親」「家族」という想いが強くなる
手をつないだりハグから始めてみよう
基本的には、性生活の再開には夫との話し合いやスキンシップが大切かと思います。日ごろから意識的に、子ども以外の話をする、体に触れる、手を繋ぐ、ハグをする、いってらっしゃいのキスをするなどをするところから始めてみるのもいいかもしれません。
また、産後の体調が悪いときや、性生活へ気持ちがのらないなどのときは正直に伝えることが大切です。どの時期から落ち着くかは個人差があるので、そろそろ大丈夫だなと思ってきたり、いいタイミングがあれば伝えてみましょう。
例えば
明日が休みでゆっくりできそう
今日は子どもが早く寝てくれそう
最近体調が落ち着いてきた
などがあれば、パートナーに伝えてみましょう。
女性から誘うのは抵抗があるという方も多いので、パートナーが誘いやすい雰囲気を作ってみましょう。また、夜にこだわらず、性生活のタイミングを図るようにしているカップルもいます。朝赤ちゃんが起きてくる前、休日などでお子さんが昼寝中の時にチャレンジしてもいいでしょう。
赤ちゃんそばに寝ていると気になる場合は、リビングなど寝室とは違う部屋でする方も多いようです。
産後に起こる性生活にまつわる気になることへの対処法
経腟分娩の場合、会陰部の傷が気になってしまうことがあるかもしれません。また、授乳中はホルモンの影響で濡れづらいこともあるようです。これらの理由から、挿入時に痛みを感じることも。ドラッグストアやネットショップでローションなどを購入して利用することで、痛みなどを軽減できるようにしてみるのもいいでしょう。
乳房は母乳が漏れ出し、触られると気になることも。「おっぱいは赤ちゃんが飲むもの」という認識が強くなり、パートナーに触れられたり口をつけられると不快に感じることもあるようです。ブラジャーはつけたままでしてみるなど工夫してみましょう。
性生活については、なかなか相談しにくいと思います。産後は性行為だけにこだわらず、夫婦間のコミュニケーションやスキンシップをとることから始めることが大切かなと思います。