なじみの店で新顔の彼となんとなく会話
当時、私は30代後半。恋愛も含めて人生いろいろあり、そんな人生に疲れきっていました。恋愛もあきらめていた私は、毎日ひとり飲み歩く生活を送っていたのです。
「もうこのまま、ひとりでそれなりに生きていくんだろうな……」と思っていたある日、行きつけのお店で初めて見る顔の男性が。といっても彼に何かを感じたわけではなく、なんとなく会話を交わし、「また飲もうよ」程度に、なんとなく連絡先を交換して別れました。
いつもの店でなんとなく彼を飲みに誘ってみる
数日後、いつものようにひとりお店で飲んでいた私は、なんとなく、あのとき連絡先を交換した彼に「この前のお店にいるんだけど良かったらこない?」と連絡。
ただ、彼の住む家はお店から車で40分以上かかる場所にあったので、「まぁこないよね」と思っていました。しかし、なんと彼がやってきてくれたのです!
ただ……。
くるわけないと思っていた私は、彼は到着したときにはすでに酔っ払い状態で……。結局、彼は迎えにくるだけとなり、そのまま彼が車で私の家に送ってくれたのです。
なんとなくした問いかけに彼からまさかの返事
それから数日後、彼と会う機会がありました。そして、また彼の車に乗せてもらうことに。
車中でこの間のことを詫びつつ、これまたなんとなく「私と結婚してよ」と冗談交じりに口にしたら……彼からまさかの「いいよ」という返事が! びっくりです。出会ってまだ3回目。さすがに「適当な返事だな」と思っていたのですが、そのまま話は進んでいき、あれよあれよと入籍日や結婚式の話に。
なぜ、こんなに話がトントン拍子に進んでいったのか。実は、これは後日彼に聞いたのですが、2回目に会った、彼が家まで送ってくれたとき、酔っぱらった私は、彼の車の中で、山あり谷ありだった約40年の人生について語ったようなのです。もちろん、私には記憶がないのですが……。
そして、話を聞いた彼は「この人は誰かが守ってあげないといけない」と思ったそうなのです。そんな彼は私より12歳も年下。当時はまだ20代でした。
お互いのことを、あまり知らないままでの入籍。最初は周りからいろいろ言われました。でも、あまり知らないからこそ、いい意味での気づかいができて、日々を重ねていく過程でお互いのいいところを発見し合っている、そんな幸せな毎日です。
今では待望の娘も誕生。すっかり仲よし家族になりました。こんなに素晴らしい人生になるなんて、あのとき人生をあきらめかけていた私は想像していなかったでしょう。冗談でも「結婚して」と言ってみるもん……なのかなと思ってしまった経験でした。
文/ニギハヤミ コハクさん
イラスト/すうみ
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!