自分自身では、特に体調不良になる原因が思い当たらないものの、不眠や頭痛に悩まされていたり、無気力や孤独感に苛まれ、情緒不安定になっているとしたら、カサンドラ症候群かもしれません。
カサンドラ症候群とは
カサンドラ症候群は、アスペルガー症候群の家族や同僚・上司と過ごしている人に発症すると可能性が高いと言われています。
アスペルガー症候群とは発達障害のひとつで、コミュニケーションがうまくできなかったり、こだわりを強く持っているという特徴があります。アスペルガー症候群の家族や職場の人と過ごしているうちに、話していてもうまく伝わらない、共感してもらえないという状況から孤立を感じたり自信を喪失し、情緒不安定になってしまうのです。
アスペルガー症候群は、男性の割合が多いと言われ、そのため、女性にカサンドラ症候群が多い傾向にあります。なお、カサンドラ症候群は病名ではありません。
カサンドラ症候群の辛さ
カサンドラ症候群には、カサンドラ症候群特有の難しさがあり、これが症状の改善を阻みます。しばしば原因が相手にあり、また、その相手がアスペルガー症候群であることがわかっていない場合が多いためです。
相手がアスペルガー症候群であることがわかっていると、対処方法も考えられますが、わかっていない場合、自分を責めひとり悩みを抱えたまま孤立した状態になり、症状が重くなってしまう可能性が高くなります。
逆に、相手がアスペルガー症候群だとわかっていたり、家族がアスペルガー症候群であったとしても家庭の外ではある程度うまくコミュニケーションがとれていることもあります。その場合、悩みを周囲に打ち明けても、共感してもらえず、結果孤立してストレス過多になってしまうこともあるのです。
カサンドラ症候群の治療法
カサンドラ症候群で抑うつ症状や不安障害が出ている場合は、薬物療法や認知行動療法などによるアプローチをしていきます。しかし、これはあくまでも表面化している症状を緩和させる対症療法であり、根本的な解決方法ではありません。
相手との関係性の改善を目指すことが治療のポイントになります。とはいえ、相手がアスペルガー症候群であるかわかっていない場合、相手にアスペルガー症候群の診断を強要することでさらに関係を悪化させかねないため、相手を含めた治療ができず、そこが大きなハードルとなってしまうことも珍しくありません。
自身がカサンドラ症候群の可能性を感じたら、まず医療機関など専門家に相談することで自身が精神的に孤立することを避けましょう。
人との関係性に変化をもたらすのは、どんな相手でも難しいものです。
自分自身を責めることなく、焦らず対処していく心構えがとても大切になります。