こんにちは!助産師のREIKOです。生まれたばかりの赤ちゃんを初めて見て、赤ちゃんの体についている白いクリーム状のものは何だろうって思ったことはありませんか?それは「胎脂(たいし)」といって、赤ちゃんにとって大切な働きをしてくれるんです。今回は、そんな胎脂についてお話します。
胎脂って何?
胎脂は、妊娠6カ月ころから赤ちゃんの体を覆い始めます。胎「脂」というだけあって、脂でできているのかと思いきや、分岐脂肪酸コレステロールエステルという物質からできています。
胎脂の量は個人差があり、全身胎脂に覆われて生まれてくる赤ちゃんもいれば、わきの下や足の付け根あたりに付いているだけの赤ちゃんもいます。
胎脂のはたらきって?
胎脂は、抱水性と保水性に優れていて、おなかの中の赤ちゃんの皮膚を守り、羊水の中にいてもうるおいを与えてくれています。だから、おなかの中の赤ちゃんは、長い時間、羊水の中にいてもふやけていないんですね。
また、おなかにいるときだけでなく、生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚も保護し、うるおいを保ってくれます。そのおかげで、赤ちゃんを乾燥や感染などによる皮膚トラブルから守ってくれているんです。
胎脂が付いていてもおどろかないで!
昔から赤ちゃんが生まれるとすぐに産湯に入れる習慣がありました。しかし、最近では、血液や羊水だけをふき取り、胎脂は残すようにする「ドライテクニック」という方法を取り入れている産院も増えてきているようです。
ドライテクニックを取り入れていることを知らず、胎脂がついたままの赤ちゃんを見て、びっくりするママもいるようですよ。
胎脂の次は……
胎脂は何日かすると、乾燥して目立たなくなってきます。そして、胎脂の働きがなくなってくると、赤ちゃんの皮膚がぽろぽろと剥けてきます。
これは「新生児落屑」といって、赤ちゃんにとって生理的なものなのでそのまま様子を見て大丈夫です。無理に剥がそうとすると、炎症や感染の原因になりますので注意してくださいね。
おなかの中と違って、外の世界は乾燥していて、刺激も多くて、赤ちゃんにとってはちょっと厳しく感じられます。でも、赤ちゃんはそんな世界に適応すべく、ちゃんと自分で保湿クリームを準備して持ってきているんですね。胎脂が役割を終えたら、次はママがしっかり赤ちゃんのお肌を守ってあげてくださいね。
著者:助産師 REIKO
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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