おむつ替えが大変な娘
娘が生後7カ月のころ、近所のショッピングセンターへ行きました。そのころの娘は背中をずりずり擦りながら移動することが多く、じっとしている時間がないので、毎日のおむつ替えがとても大変。さらに、おむつ交換台という不特定多数の人が使用する場所がなんとなく不衛生に感じて、娘を寝かせたくないと思っていたので、短時間で帰れるところばかりに出かけ、外出先でおむつを替えることはあまりありませんでした。
しかしその日はそのショッピングセンターでの用事が長引いたため、おむつを替えてから帰ろうと思い、娘をおむつ交換台に寝かせ、ベルトは触りたくなかったのでしませんでした。落ちないかは心配でしたが、私が目を離さなければ大丈夫、と思っていたのです。
ほんの一瞬。その瞬間に転落!
替えたおむつを捨てようとした際、ゴミ箱のフタの上に使用済みのおむつが乗っているのを見つけました。きちんと捨てない人がいるなんて嫌だな、と思って一瞬娘から目を離してしまいました。
そのとき、ドスンという大きな音が聞こえ、振り返ると娘が床に! 大泣きしている娘を抱き上げ声をかけましたが、内心はパニック状態! 「頭を打った? すぐに泣いたから平気? 床もコンクリートじゃないし……」など、必死に大丈夫と言い聞かせて自分を落ち着かせました。
娘はしばらく泣いていましたが、家に帰るころにはすっかりいつもの様子になり、授乳を終えて昼寝をし始めました。その間に私はネット検索。すぐに泣いたこと・嘔吐がなかったこと・床にはマットが敷いてあり固くなかったことなどから、ひとまずは大丈夫だと思ったのですが、やはり不安でいっぱいに……。娘がお昼寝から起きてから、かかりつけの小児科を受診しました。
「油断一秒・怪我一生」重い医師の言葉
診察がひと通り終了すると、現状特に気になる点はなしということ。しかし、今症状がなくても1カ月後に出る場合もある、その際は脳外科のある病院へ行ってください、と言われました。
そして「『油断一秒・怪我一生』という言葉があるよ、目を離してはいけません」と言われ、診察は終了しました。帰り道、なんでこんなことになったのだろう、全部私のせいだ、という気持ちでいっぱいになり、涙が止まりませんでした。
とても長く感じた1カ月間
その夜、娘の寝顔を見ながらひどい後悔に襲われました。「あのときベルトをしていれば……、もし娘が急変したら……、自分を責め続けても仕方ない……」。私の心の中にさまざまな気持ちが入り混じってよく眠ることができず、夜中に何度も娘の様子を確かめたことを覚えています。
娘のささいなしぐさも気になるようになり、事故を思い出しては涙する日々。医師から言われた1カ月が過ぎたころ、ようやく少し安心したのを覚えています。
娘は現在4歳になりますが、何事もなくスクスクと成長しています。あのとき、大事に至らなくて本当によかった、と思うとともに、少しの油断が大きな事故を招くことがあると感じるばかりです。そして「まあ大丈夫だろう」という思い込みがどれほど危険なのかということを実感する出来事でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
※おむつ交換台に赤ちゃんをのせる際は、必ず目を離さないようにしましょう。
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監修/助産師REIKO
著者:佐野 彩
4歳女児の母。結婚を機に退職し出産。地元から離れ、知り合いが誰もいない土地で子育て中。地域の情報を入手すべく、ママ友作りに奔走した経験あり。